日銀利上げで変動金利が上がる——サラリーマン大家はどう動くべきか【2026年版】
2026年の利上げ局面で変動金利ローンを抱えるサラリーマン大家の対処法を実体験ベースで解説。金利+1%シミュレーション・繰り上げ返済の判断基準・次の物件選びの基準を包み隠さず紹介。
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正直に言うと、2024年に日銀が利上げを始めたとき、僕はかなり焦りました。
自己資金320万円、借入1,200万円で購入した都内ワンルームマンション。変動金利0.575%でローンを組んでいた僕にとって、「利上げ」という言葉は他人事ではありませんでした——。
2026年現在、政策金利はじわじわと上昇を続けています。「これから不動産投資を始めようとしているけれど、今は危ないのでは?」と思っている方も多いでしょう。
変動金利ローンを抱えるサラリーマン大家として、僕が感じていることと取るべき対策を、包み隠さず書いておきます。
そもそも、なぜ今「利上げ」が問題になるのか
日本銀行は2024年3月、マイナス金利政策を解除し、約17年ぶりの利上げに踏み切りました。その後も段階的な引き上げが続き、2026年に入っても金融政策の正常化が進んでいます。
不動産投資ローンとの関係でいうと、変動金利型ローンは「短期プライムレート」に連動するものが多く、日銀の政策金利変動に直接影響を受けます。
具体的な数字で見てみましょう。
借入2,000万円(35年ローン)で金利が0.5%上昇した場合、月々の返済額はおよそ4,000〜5,000円増加します。年間で約5〜6万円の返済増です。
「それくらいなら大丈夫」と思う方もいるかもしれません。ただし、複数物件を保有している方は、物件数分だけこの増加が積み重なります。3戸所有している僕の場合、1%上昇で年間15〜18万円のキャッシュフローが消える計算になります。
変動金利のまま持ち続けるべきか?固定金利に切り替えるべきか?
僕のスタンスを先に言います。
「慌てて固定金利に切り替えない」
これが3戸を所有している経理マンとしての判断です。
理由は数字の問題です。2026年現在、多くの金融機関の変動金利は依然として1%前後(投資用不動産は1.5〜2%台)。一方で固定金利は3〜4%台が主流です。
固定に切り替えることで「安心」は得られますが、月々の返済額は大幅に増加します。現時点でキャッシュフローがプラスの物件が、固定に切り替えることでマイナスに転じるケースもある——正直に言うと、そこが一番のリスクだと思っています。
もちろん「金利がどこまで上がるかわからない」という不安はわかります。しかし、金利を予測して動くのは投機的行動です。サラリーマン大家が取るべき戦略は「金利が多少上がっても耐えられるキャッシュフロー設計を最初から組んでおくこと」です。
利上げ局面でサラリーマン大家が取るべき3つの対策
ステップ1: キャッシュフロー計算を「金利+1%」でシミュレーションし直す
まず自分の物件の現状把握が最優先です。
「もし変動金利が現在より1%上昇したとき、月のキャッシュフローはどうなるか?」
この計算を今すぐやっておくことをお勧めします。もし現在の金利でギリギリ黒字の物件が、1%上昇でマイナスになるなら、それは危険水域です。
僕の場合、都内第1号物件(借入1,100万円・35年)では金利が1%上がっても月々のキャッシュフローは約▲2,000円程度(管理費込みで家賃収入72,000円・返済費用増加分含め約54,000円前後)。埼玉の物件はキャッシュフローの厚みが薄く、こちらは少し緊張感があります——正直に言うと。
数字を見える化することで、「何もしなくていい」「繰り上げ返済を検討すべき」の判断ができます。
利回りとキャッシュフローの計算方法については、利回りの正しい計算方法とよくある落とし穴で詳しく解説しています。
ステップ2: 手元キャッシュを厚くしておく(修繕費用の先取り積み立て)
利上げ局面で二重に危険なのは、返済増加と修繕費の発生が重なったときです。
サラリーマン大家が一番追い詰められるパターンは「金利上昇で返済増加→同時期に水回り修繕発生→手元キャッシュ不足」という展開です。
これを防ぐために、僕は毎月の家賃収入の15〜20%を修繕積立として別口座に確保しています。「取らぬ狸の皮算用」はしない——これが堅実な不動産経営のベースです。
修繕積立は「今は必要ない支出」かもしれませんが、10年後に必ず効いてきます。自己資金320万円・借入1,200万円で始めた僕が、3年でここまで来られたのも、この習慣のおかげだと思っています。
具体的な修繕費の積み立て額と計画については、修繕積立計画の立て方:築古物件のリスク管理実例に詳しくまとめています。
ステップ3: 次の物件購入は「金利耐性の高い物件」で選ぶ
すでに物件を持っている方への対策でもあり、これから購入を検討している方へのアドバイスでもあります。
利上げ局面での物件選びで意識すべきポイントは**「実質利回りの厚み」**です。
表面利回りが低い都心の新築ワンルームは、金利上昇の影響をまともに受けやすい。対して、地方や築古物件で利回りを高めに取れる物件は、金利が1〜2%上昇しても耐えられる余裕が生まれます。
目安として、僕は「金利が2%上昇しても月のキャッシュフローがプラスを維持できること」を物件選びの最低条件にしています。
物件選びの基準については、サラリーマン大家の物件選び7つのポイントも参考にしてください。
「これから始める人」は不利なのか?
ここで一度立ち止まって考えてほしいのですが、「利上げ=不動産投資に不利」とは一概には言えません。
金利上昇局面では、売りに出る物件が増える傾向があります。返済負担が重くなって損切りせざるを得ない業者や個人投資家が増えるからです——つまり、バーゲンセールのような物件が出てくることもある。
これは、しっかりとした自己資金と信用力を持つサラリーマンにとっては、むしろチャンスとも言えます。
正直に言うと、僕が最初の物件を買ったのも、周囲が「不動産投資は怖い」と二の足を踏んでいた時期でした。あの暑い夏の日に、少し緊張しながらも「今だ」と判断したことを、今でも覚えています。
「みんなが安全だと言う時が危険で、みんなが危険だと言う時がチャンス」——これは投資の世界では使い古された言葉ですが、不動産においても一定の真理があります。
初心者がどのタイミングで動くべきかは、不動産投資初心者ガイド:始める前に知っておきたいことで詳しく書きました。
投資ローンの選び方と今後の方針
利上げ環境での投資ローンに関して、僕が現在取っている方針は以下の3点です。
1. 変動金利ローンは現状維持、ただしシミュレーションは毎月
毎月の家賃収入管理のタイミングで、「金利が現在から1%上昇した場合のキャッシュフロー」を確認しています。数字が悪化してきたら対応を考える——そういう習慣を作りました。
2. 新規物件購入は慎重に、ただし良い物件は動く
金利上昇期は、焦って動くよりも「良い物件が出たら即判断できる準備をしておく」姿勢が重要だと思っています。資金繰りの余裕を持っておくこと、金融機関との関係を日頃から維持しておくことが大切です。
3. 繰り上げ返済は「できるかどうか」より「すべきかどうか」で判断
キャッシュフローが薄い物件については、繰り上げ返済でローン残高を減らすことも一つの選択肢です。ただし、手元キャッシュを減らしすぎると機動力が落ちるため、慎重に判断しています。繰り上げ返済と物件拡大のどちらを優先すべきかで詳しく比較していますので、自分のフェーズと照らし合わせて判断してみてください。
投資ローンの選び方の基本は、不動産投資ローンの選び方:金利・審査・借入戦略を解説でまとめています。
まとめ:利上げ局面でサラリーマン大家がやること
| やること | 理由 |
|---|---|
| キャッシュフローを金利+1%でシミュレーション | 危険水域の早期発見 |
| 家賃収入の15〜20%を修繕積立として確保 | 返済増加×修繕費の二重リスク回避 |
| 次の物件は実質利回り重視で選ぶ | 金利耐性のある収益構造を作る |
| 固定金利への切り替えは感情でなく数字で判断 | 慌てた切り替えが損失につながる |
焦る必要はありません。
ただ、数字からは目を逸らさないでください——。それだけが、堅実な不動産経営を長く続けるための唯一の方法だと、3年間やってきて、そう思っています。
皆さんはどうお考えですか?
もし変動金利の扱いについて不安を感じているなら、まずは自分の物件のキャッシュフロー計算から始めてみてください。答えは、必ず数字の中にあります。
また、金利上昇は空室リスクと並んで不動産投資の二大リスクです。空室リスクを最小化する7つの戦略もあわせて対策しておくと、より安定した不動産経営が実現できます。
【2026年5月追記】2026年春以降、変動金利の動向を見ながら「やはり固定に切り替えるべきか」という相談が増えています。判断の基本は変わらず「今の変動金利と固定金利の差が、予想される上昇幅より大きいかどうか」です。感情でなく数字で動くこと——これが3戸持ちサラリーマン大家の結論です。なお、購入後に発生する想定外コストの全体像は物件購入後6ヶ月の想定外出費を公開した実録記事も参考にしてみてください。