住宅ローン残債ありでも投資ローンは組める?銀行3行に相談してわかったリアル

住宅ローン残債があっても投資ローンは組める。3行に相談してわかった返済比率・年収目安・審査通過のコツを石田コウタが実体験ベースで解説。残債2,380万円での体験談付き【2026年版】

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不動産投資に興味を持ち始めた頃、僕には一つ大きな不安がありました。

「住宅ローンが残っているのに、投資ローンなんて組めるのだろうか」

4月のGW前の土曜日のことです。妻が娘と公園に行っているあいだに、近所のメガバンクの窓口に一人で相談に行きました。自己資金600万円、年収780万円(税引前)、住宅ローン残債は2,380万円(管理費込みで月10万円の返済)——そんな状況でした。

包み隠さず書くと、1行目はやんわりと「少し難しいかもしれませんね」と言われました。

でも、その後2行目・3行目と相談を重ねて、最終的に投資ローンを組むことができました。その過程でわかった「住宅ローン残債ありでの投資ローン審査のリアル」を、Q&A形式でまとめます。

この記事は、同じ疑問を持っていた3年前の自分に向けて書いています。

銀行相談のイメージ

よくある質問まとめ:住宅ローン残債と投資ローンの関係

Q1: 住宅ローンがあると投資ローンは断られますか?

絶対に断られるわけではありません。 ただ、審査は明らかに厳しくなります。

銀行が気にするのは「返済比率」です。年間の全借入返済額が年収の35〜40%以内に収まるかどうか——これが事実上の壁になっています。

たとえば年収600万円なら、年間返済可能額は210〜240万円(月17.5〜20万円)が目安。すでに住宅ローンで月10万円返済中なら、投資ローンに使える枠は「月7.5〜10万円」しか残っていない計算になります。

1行目にやんわり断られたのも、この返済比率が引っかかっていたからでした。でも——物件の収益性と自己資金を丁寧に説明したら、2行目では「この物件なら前向きに検討できます」という返事をもらいました。

Q2: 住宅ローンと投資ローンを両立できる年収の目安は?

正直に言うと、「何年収なら大丈夫」という明確な基準はありません。返済比率と物件の収益性のバランスで決まります。

ただし、経験則として:

年収月々の住宅ローン返済投資ローンに使える余力(目安)
500万円7万円月4〜6万円(物件1,000〜1,500万円程度が限度)
700万円10万円月9〜11万円(物件2,000〜2,500万円まで射程)
1,000万円12万円月16〜20万円(3,000万円超の物件も視野に)

この表はあくまで「目安のさらに目安」です。実際は物件の担保評価・属性(勤務先・勤続年数)・頭金の割合でかなり変わります。

投資ローンの審査に通るための準備チェックリストで、具体的な対策を解説しています。あわせて読んでみてください。

Q3: 住宅ローンと投資ローン、どちらを先に組むべき?

結論から言うと、住宅ローンが先です。これは絶対です。

なぜかというと、投資ローンを先に組んでしまうと、住宅ローンの審査で「この人にはすでに○○万円の借入がある」と計算されるからです。返済比率の計算に投資ローンの返済額が含まれてしまい、住宅ローンの審査が厳しくなります。

逆に、住宅ローンを先に組んでいれば、投資ローン申し込み時に「物件の収益性でカバーできる」という説明ができます。銀行の判断軸が違うんです。

「マイホームか投資物件か、どちらを先に買うべきか」という問いへの答えは、マイホームと投資物件、先に買うべきはどっち?でも詳しく解説しています。

Q4: 住宅ローン残債が多いと、投資ローンの借入可能額はどのくらい減りますか?

具体的に僕のケースで計算してみます。

僕のケース

  • 年収:780万円(税引前)
  • 住宅ローン残債:2,380万円(月返済額:約10万円)
  • 自己資金:600万円

返済比率上限35%で計算

  • 年間返済可能額:780万円 × 35% = 273万円
  • 住宅ローンの年間返済額:120万円(月10万円)
  • 投資ローンに使える年間枠:273万円 − 120万円 = 153万円(月12.75万円)

投資ローンの金利3%・期間25年で逆算すると、月12.75万円の返済で借りられる借入額は約2,400万円

住宅ローンがなければ同条件で月22.75万円まで返済に充てられるので、借入可能額は約4,300万円になります。

住宅ローン残債があるだけで、約1,900万円も借入可能額が下がる——これが現実です。

投資物件の購入前シミュレーションで「どのくらいの物件規模なら投資として成立するか」を事前に計算しておくことが大切です。

Q5: 住宅ローン減税(住宅ローン控除)を受けながら投資ローンを組んでも大丈夫?

制度的には問題ありません。 ただし1点だけ注意があります。

住宅ローン控除は「住居として使用している物件のローン」に対して適用されます。投資物件のローンとは別物なので、住宅ローン控除には原則として影響しません。

注意が必要なのは「自宅の一部を賃貸や事業に使っている場合」です。自宅の一部を投資目的で使うと、その割合に応じて住宅ローン控除の対象外になります。

僕のケースでは自宅は完全に居住用なので、投資ローンを組んでも住宅ローン控除には全く影響がありませんでした。

Q6: 住宅ローンが変動金利の場合、投資ローンも変動にすべき?

(書いてたら娘が「おとうさんどこいたの!」と帰ってきたので一時中断。余談です)

住宅ローンが変動で、投資ローンも変動にすると、金利上昇時に両方同時に返済額が増えるリスクがあります。

僕の考えとしては——

  • 住宅ローン(自宅):変動でもある程度許容できる(居住用なので比較的長期保有)
  • 投資ローン:固定を選んだ方が収支の予測が立てやすい

2026年現在、金利上昇基調が続いているので、投資ローンの固定金利化は特に検討する価値があります。ただし金利差(変動1.8〜2.2% vs 固定2.8〜3.5%)があるので、長期的にどちらが得かは物件の運用期間にもよります。

投資ローンの金融機関比較で各行の金利・条件を比較していますので、参考にしてみてください。

Q7: 住宅ローンと投資ローンを同じ銀行にまとめるメリット・デメリットは?

一概に「まとめた方がいい」とは言えません。

同じ銀行にまとめるメリット

  • 金利優遇が受けやすい(追加融資として好意的に見てもらえる)
  • 担当者との関係構築がしやすい
  • 口座・振替の管理が楽

同じ銀行にまとめるデメリット

  • 片方の返済が滞ると、もう片方にも影響が出る可能性がある
  • 「同一銀行からの総借入額」に上限が設けられていることがある
  • 別の銀行の方が金利条件が良くても選択肢が狭まる

僕は住宅ローン(メガバンク)と投資ローン(信用金庫)を別々にしました。理由は「リスク分散と金利の良さ」です。同じバスケットに全部の卵を入れないのは、投資の基本ですよね——不動産投資も例外ではありません。


銀行3行に相談してわかった「審査のリアル」

投資物件のイメージ

1行目:メガバンク(やんわり断られた)

担当者はとても親切でしたが、「返済比率が若干基準を超えるため、今の状況では難しいかもしれません」と言われました。物件の収益性の話をしても、あまり聞き入れてもらえなかった印象です。

メガバンクは属性(年収・職業・勤続年数)重視で、物件の収益性よりも申込者のステータスで判断する傾向があります。住宅ローン残債が多い時期はハードルが高いと感じました。

2行目:地方銀行(前向きな返答)

「物件の収益性」と「エリア」を重視してくれた印象でした。「この物件なら担保評価が十分出る可能性があります」という返答をもらいました。

地方銀行は物件重視型で、収益シミュレーションをしっかり持ち込めば前向きに検討してもらいやすいです。

3行目:信用金庫(最終的にここで組んだ)

3行の中で一番フランクな雰囲気でした。「住宅ローン残債があるのはわかってる。それを踏まえた上で、この物件の収益性をどう見るかが大事」という視点で話を進めてくれました。

結果として、金利2.1%(固定10年)・借入期間25年で融資が実行されました。自己資金を20%入れたこと、物件が都内で空室リスクが低いと判断されたことが審査通過のポイントだったようです。


投資ローンが通りやすくなる3つの事前準備

書類準備のイメージ

準備1:自己資金を物件価格の20〜30%確保する

住宅ローン残債がある場合、フルローンは非常に難しいです。自己資金を厚く積んでおくことで「この人はリスク管理ができている」というシグナルになります。

僕の場合、600万円の自己資金で物件価格2,200万円の物件を購入しました(自己資金比率約27%)。

不動産投資の初期費用完全ガイドで、必要な自己資金の詳細を確認してみてください。

準備2:収益シミュレーションを作り込んで持参する

銀行担当者に「この物件でこれだけの収益が見込める」という資料を持参すると、話が全く変わります。

最低限含める内容:

  • 想定家賃収入と空室率(85〜90%稼働想定)
  • 年間経費(管理費・修繕費・保険・税金)
  • 税引後キャッシュフロー
  • ローン返済後の手元残高

「なんとなくこの物件が良いと思って」ではなく「このシミュレーションで年間○○万円のキャッシュフローが見込める」という話し方をするだけで、銀行担当者の反応が明らかに変わりました。

準備3:複数の金融機関に同時進行で相談する

1行に断られて終わり——これが一番もったいないパターンです。

金融機関によって審査基準が全然違います。メガバンクに断られた案件が地方銀行や信金で通ることは珍しくありません。3〜4行に同時期に打診して、最も条件の良いところを選ぶのが正解です。

投資ローンの選び方完全ガイドに、各金融機関の特徴と相談の仕方をまとめています。


よくある質問

Q: 住宅ローン残債がある状態で投資ローンを通した人は本当にいますか?

A: います。僕自身がそうですし、サラリーマン大家仲間でも「住宅ローン残債あり」でスタートした人は少なくありません。条件は「返済比率が銀行の基準内に収まること」と「物件の収益性・担保評価が十分であること」です。地方銀行・信用金庫は特に柔軟に対応してくれる傾向があります。

Q: 住宅ローンの残債がいくらを下回ったら投資ローンに有利になりますか?

A: 残債の絶対額よりも「月々の返済額が年収に占める割合」の方が重要です。残債1,500万円でも月10万円返済中なら、残債3,000万円で月5万円返済の場合と審査難易度はほぼ同じです。年間総返済額 ÷ 年収が30%以下に収まっていれば、比較的スムーズに審査が進むケースが多いです。

Q: 住宅ローンを繰り上げ返済してから投資ローンを申し込んだ方がいいですか?

A: 資金を繰上返済に使うと手元の自己資金が減るため、投資ローンの審査で「自己資金比率が低い」と見られます。どちらが有利かはケースバイケースです。繰上返済と投資拡大の判断軸を参考にしてみてください。

Q: 投資ローンの審査に落ちた原因が住宅ローンかどうかわかりません。

A: 銀行は審査落ちの理由を詳しく教えてくれないことが多いです。自分で計算できるのは返済比率(年間総返済額 ÷ 年収が35%を超えていないか)。それ以外の理由(勤続年数・物件の担保評価)については、次の金融機関で率直に「前回断られた理由として何が考えられますか?」と聞いてみるのも手です。

Q: 住宅ローンと投資ローン、月々の合計返済の目安はありますか?

A: 合計の月々返済額が手取り月収の30%以内であれば、生活を圧迫せずに運営できるケースが多いです。さらに言うと「投資ローンの返済額 < 家賃収入の70〜80%」を目安にすると、空室リスクや経費を差し引いても返済できる水準になります。


まとめ

住宅ローン残債があっても、投資ローンを組むことは十分に可能です。

この記事のポイント

  • 返済比率(年間総返済額 ÷ 年収)を35〜40%以内に収めることが第一関門
  • 住宅ローンは先、投資ローンは後——この順番は絶対に守る
  • 銀行は1行で諦めない。3〜4行に同時進行で相談する
  • 自己資金20〜30%の確保と、収益シミュレーションの持参が審査通過のカギ
  • 地方銀行・信用金庫は「物件の収益性」で柔軟に見てくれる

焦る必要はありません。住宅ローンがあるのは確かにハンデですが、物件の選び方と事前準備次第で十分にカバーできます。

サラリーマンは安定した給与所得があるという点で、銀行から見ると「信頼できる借り手」です。その武器を使い切る価値は、十分にあると思っています。

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【2026/05/19 追記】

この記事を書いた後、信用金庫の担当者と久しぶりに連絡を取る機会がありました。「最近、住宅ローン残債があってもご相談に来られる方が増えています」とのこと。2026年に入ってからの金利上昇局面で「変動金利の住宅ローンを早めに減らしてから投資に回したい」という動きが出てきているそうです。

一方で、物件価格も上昇傾向にあるため「良い物件が出たタイミングで動けるか」という機動力の問題もあります。住宅ローン残債がある方は特に、サラリーマン大家のロードマップを参考に、中長期的な資金計画を立てておくことをおすすめします。

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