ペット可物件への不動産投資は"あり"か?現役サラリーマン大家が7つの疑問に答える【2026年版】
ペット可物件投資の家賃プレミアム・原状回復コスト・入居者審査の実態を現役サラリーマン大家が回答。退去補修費が想定の2.4倍だった経験含め包み隠さず解説します。
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よくある質問まとめ——ペット可物件への投資、あなたの疑問に全部答えます。
先に言っておくと、このテーマは「やって正解だった」と思っています。ただ、気軽に勧めるには正直キツい側面もあって、今日はその両方を書くつもりです。
DM・コメントで「ペット可って実際どうですか?」と聞かれることが増えてきたので、このタイミングで整理しました。冒頭にQを5〜7個並べて各回答を書く形式にします。
Q1: ペット可物件って、投資として実際どうなの?
A: 戦略としては「あり」です。ただし、物件・エリア・運営方針が揃って初めて機能します。
正直に言うと、僕が最初にペット可を検討したのは「空室が怖かったから」です。2023年の秋、埼玉の物件で2ヶ月空室が続いた時期があって、「何か差別化できないか」と考え始めたのがきっかけでした。
不動産ポータルサイトの数字を見ると、ペット可物件の供給は需要に対して明らかに少ない。特に築古のワンルーム〜1DKは「ペット不可」が大半で、探している人からすると「なかなか見つからない」状態です。
つまり、需給ギャップが存在するということ。これは投資的に見れば機会です。
ただし「ペット可にすれば万事うまくいく」というほど単純ではない。後続のQで詳しく書きますが、退去後コストや管理の手間は確実に増えます。「空室が埋まりやすい」メリットと「退去コストが上がる」デメリットを天秤にかけた上での判断が必要です。
空室リスクそのものについては空室リスクを減らす7つの実践的対策も参考にしてみてください。ペット可はその対策の一つとして位置づけると理解しやすいです。
Q2: どのくらい家賃プレミアムが取れる?
A: エリアと物件スペックによりますが、僕の体感では月1.2万〜1.7万円のプレミアム。波がある。
「同じ建物内のペット不可部屋と比べて○○円高い」という形で計算するのが一番わかりやすいです。僕が運営している埼玉の部屋(1K・築22年・25㎡)でいうと、ペット不可時の家賃が6.5万円のところ、ペット可に切り替えてから8.2万円で決まりました。差分1.7万円です。
ただ、これは「運が良かった」時の数字で、次の入居者では1.2万円の差でした。プレミアムは1.2万〜1.7万円の間で揺れています。
(ここ書くのに少し悩んだんですけど、「月2万のプレミアム」みたいな丸い数字は信用しない方がいいです。エリアの賃料相場と競合物件数に左右されます。)
家賃設定の詳細な考え方はペット可・ペット不可の家賃設定ガイド2026にまとめてあります。プレミアム設定の計算式も書いてあるので参考にしてみてください。
Q3: ペット退去後の原状回復費用は実際どれくらい?
A: 通常退去の2〜3倍は覚悟してください。僕の1回目の経験では、想定の2.4倍かかりました。
これ、一番聞かれるポイントです。僕の1回目のペット退去(猫2匹・3年入居)の費用内訳を書きます。
| 箇所 | 費用 |
|---|---|
| 壁クロス全面張替え | 18.4万円 |
| フローリング補修 | 6.2万円 |
| 消臭・ハウスクリーニング | 4.8万円 |
| 建具(扉下部)補修 | 2.1万円 |
| 合計 | 31.5万円 |
事前に想定していたのは12〜15万円でした。2.4倍です。
なぜこんなに増えたか——猫の引っかき傷が思っていたより深く、クロスの張替えが「傷ついた箇所だけ」では済まなかったのが主な原因です。部分張替えの補修跡が目立って結局全面になる、というパターン。
ただし、これにはペット飼育の特約で預かった「ペット敷金」が入居時に別途2ヶ月分ありました(16.4万円)。差引15.1万円が実質の持ち出しです。
原状回復トラブルの詳細と、入居前に取り交わすべき特約の書き方については原状回復トラブル対処ガイド2026を参考にしてください。ペット飼主との特約文のひな形も掲載してあります。
Q4: ペット可にすべき物件・すべきでない物件の違いは?
A: 「構造がペットに向いているか」「周辺にペット需要があるか」の2点で8割決まります。
やってよかったケース(僕の埼玉物件):
- 築古だが鉄骨造で遮音性が一定水準ある
- 周辺に動物病院が2軒、ペットショップが1軒
- 1階部屋で小さな専用庭あり(ペット飼主に人気)
- 近くの大型公園まで徒歩5分
やらない方がよかったと思うケース(知人の体験):
- 木造アパートの2〜3階(鳴き声のクレームが多発)
- 上下左右すべてペット不可部屋に囲まれた1室だけペット可
- 管理組合規約でペット禁止のマンション(当然ですが)
「ペット可物件」とひとくちに言っても、犬・猫・小動物で事情が変わります。猫は爪とぎ、犬は鳴き声が主なリスク要因。物件選びの基本は投資物件選びのポイント完全版にまとめてありますが、ペット可特有の視点として「遮音性」と「周辺のペット需要」は必ず確認することをお勧めします。
Q5: 入居者審査、ペット飼主だと厳しくすべき?
A: 「厳しく」ではなく「ペット用の審査項目を追加する」が正解です。
普通の入居審査(収入・職業・連帯保証人)はそのまま行いつつ、以下を追加しています:
- 飼育しているペットの種類・頭数・年齢(多頭飼いは追加審査)
- ペット歴と現在の住居での飼育経験(初めての飼い主は慎重に)
- ペット可を探していた期間(長く探していた=大切に扱う傾向)
- 退去時の費用負担への同意書署名(書面に残すことが重要)
ちょっと話が逸れるけど——審査を厳しくしすぎると「ペット可なのに入れない」という評判が立って空室が長引くリスクがあります。「厳しく絞る」より「事前合意をしっかり取る」方向の方が、結果的にトラブルが少ないです。
入居者審査での失敗パターンは入居者審査で失敗した経験から学ぶ7つの教訓にまとめてあります。ペット可特有のケースも1つ含めてあります。
Q6: ペット可対応の管理会社はどう選べばいい?
A: 「ペット可物件の管理実績があるか」を必ず確認してください。普通の管理会社と対応が全然違います。
これ、失敗しました。
最初にペット可に切り替えた時、それまで付き合いのあった管理会社にそのまま任せたんです。でも担当者がペット可物件の経験がほとんどなく、「退去時のペット特約の精算」で入居者とトラブルになった。担当者が特約の内容を入居者に説明しきれていなかったのが原因でした。
ペット可物件の管理を任せる会社には、以下を確認するようにしています:
- 管理中のペット可物件数(10戸以上あると経験値が違う)
- ペット退去時の精算実績
- 入居時のペット特約の説明フロー
- 退去立会いでのペット起因損傷のジャッジ経験
管理会社選びの全体像は不動産管理会社の選び方完全ガイドに詳しくまとめてあります。ペット可対応力のチェックポイントとして、上記の4点を持参して面談するのがお勧めです。
Q7: 最初の1匹目でやらかした失敗談
A: ペット敷金を「1ヶ月分」に設定したのが失敗でした。最低2ヶ月、できれば2.5ヶ月にすべきでした。
2023年の秋に初めてペット可に切り替えた時、ペット敷金を「通常敷金1ヶ月+ペット特別敷金1ヶ月=合計2ヶ月」に設定しました。
退去時の実費が31.5万円(前述)だったのに対して、回収できた敷金合計は約16万円。約15万円が持ち出しになりました。
今は「ペット種類別の推定補修費」を管理会社に出してもらって、その金額に合わせてペット敷金を設定しています。猫2匹なら2.5〜3ヶ月分が妥当という感覚です。
(正直、最初の退去後は「もうペット可やめようかな」と一瞬思いました。でも次の入居者が3ヶ月待たずGW直前に決まって、それからは考えを改めています。)
よくある質問
Q: ペット可にするためのリフォーム費用はどのくらい必要?
A: 最低限のペット対応(壁の一部をペット対応クロスに変更、床のコーティング)で10〜20万円程度です。フルリフォームは必要なく、「ペット起因の損傷が修復しやすい素材に変える」ことが目的なので、やりすぎは費用対効果が下がります。猫と犬では対策箇所が異なるので、どちらをターゲットにするか決めてからリフォーム計画を立てるのがお勧めです。
Q: ペット可物件はいつ入居者が決まりやすい?
A: 春(2〜4月)の繁忙期はペット可でも不可でも動きますが、それ以外の閑散期(9〜11月)の比較でいうと、ペット可の方が明らかに問い合わせが来やすいです。2024年11月に空きが出た時、ペット可条件のおかげで翌年GW直前の4月末には埋まりました。閑散期の空室を抑えるという意味で、ペット可の差別化効果は実感しています。
Q: ペット可にすると火災保険の保険料は上がる?
A: ペット飼育自体は一般的な火災保険の保険料に直接影響しません。ただし、退去後の損傷に備えた「家財保険の特約」や「借家人賠償責任保険」を入居者に義務付けることで、大家側のリスクを軽減できます。火災保険全般については投資物件の火災保険の選び方ガイドに詳しく書いてあります。
Q: ペット飼主の長期入居率は、ペット不可の入居者と比べてどうですか?
A: 僕の経験と管理会社からの話を合わせると、ペット可物件の入居期間は平均的に長い傾向があります。理由はシンプルで、「次も同じ条件の物件を探すのが大変」だから。これは大家にとっては退去頻度が下がるというメリットで、1回の退去コストが高い分、長期入居で相殺されるイメージです。4〜5年入居してくれると、退去補修費を考慮しても十分にペイします。
追記(2026/05/12): ペット可物件の需要は2026年も増加中
2026年に入ってから、首都圏のペット可物件の問い合わせ件数が前年比で増えているというデータを管理会社から共有してもらいました。コロナ禍でペットを飼い始めた世帯がそのまま住み替えを始めている時期に当たっているらしく、しばらくはこの傾向が続きそうとのことです。
以前は「ペット可はリスクが高い」という書き方をしていた記事もありましたが、2026年時点ではリスクを適切に管理しながら差別化を図る方法として、より積極的に検討できる選択肢になってきたと感じています。
ペット可物件への投資を考えているサラリーマン大家の方の参考になれば幸いです。焦る必要はありません。まずは「自分の物件にペット需要があるか」を確認するところから始めてみてください。管理会社に聞けば、周辺エリアのペット可物件の問い合わせ状況を教えてもらえることが多いです。
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