家賃相場の調べ方5選|サラリーマン大家が実際にやっている適正家賃の設定方法【Q&A】
家賃相場の正しい調べ方をQ&A形式で解説。SUUMO・管理会社査定・周辺調査で適正家賃を設定する方法。管理会社任せで年3.6万円損した実体験と、相場より高くても入居が決まる条件も。
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不動産投資を始めて3年目の春——正直に言うと、僕は家賃設定をほぼ管理会社に丸投げしていました。
「プロに任せれば間違いない」という思い込みがありました。でも、4月の終わり、GW前にふとSUUMOで自分の物件と同じ条件の物件を調べてみたら、僕の物件の家賃が周辺相場より3,000円も低かった。
管理会社に問い合わせると「空室を長引かせないための安全マージンです」との回答でした。
——でも、考えてみてください。3,000円 × 12ヶ月 = 年3.6万円。10年保有すれば36万円の機会損失です。これは大家だけが被るコストで、管理会社には何のデメリットもない。
サラリーマン大家のロードマップでも触れていますが、「管理は任せてOK、でも経営判断は自分でする」——これが不動産投資で長く生き残るための基本スタンスだと思っています。
この記事では、僕が実際にやっている家賃相場の調べ方と適正家賃の設定方法を、Q&A形式でまとめます。
Q1: 家賃相場って自分で調べられるの?管理会社に任せるべきでは?
A:
自分で調べられます。というより、大家自身が調べた上で管理会社と話し合うのが正しい姿です。
管理会社に任せることのリスクは、僕が身をもって証明しました。管理会社にとって「すぐ入居が決まること」は重要ですが、「家賃が適正かどうか」はあまり関係ない。むしろ少し安く設定したほうが早く空室が埋まり、管理業務がスムーズになります。
自分で相場を把握していないと、この「管理会社の都合」に気づけません。
調べ方は5つあります——SUUMOなどのポータルサイト、管理会社への査定依頼(複数社)、現地確認、レインズの情報取得(不動産業者経由)、そして自治体の統計データ。それぞれ詳しく後述します。
管理会社との正しい付き合い方でも書きましたが、管理会社は「パートナー」ですが「全権委任する相手」ではない。これを理解しているかどうかで、長期的な収益に大きな差が出ます。
Q2: SUUMOやアットホームで相場を調べる具体的な手順は?
A:
手順は以下の通りです。5〜10分でできる作業です。
ステップ1: 自分の物件と条件を揃える
- エリア: 最寄り駅 + 徒歩分数(プラスマイナス3分以内)
- 築年数: プラスマイナス5年以内
- 専有面積: プラスマイナス5㎡以内
- 間取り: 同じ間取り
- 設備: 似た条件(オートロック有無、バス・トイレ別など)
ステップ2: 検索して「掲載中物件の家賃帯」を確認する
条件に近い物件が5〜10件出てきたら、その家賃を一覧でメモします。最高値・最低値・中間値を計算します。
ステップ3: 「長期掲載物件」に注意する
ポータルサイトに3ヶ月以上掲載されている物件は、相場より高い可能性があります。掲載開始日が表示されているので確認しましょう。長期掲載物件は「入居が決まっていない = 相場から外れている」のシグナルです。
僕の場合、埼玉の1Kマンション(築14年・25㎡)で調べたところ、相場は月7.8万〜8.2万円くらいの幅がありました。競合次第で変わります。このレンジを把握した上で、管理会社に「7.9万円で出してほしい」と具体的な数字を伝えるようになってから、会話の質が変わりました。
Q3: 管理会社に「家賃査定」を依頼すると正確な数字が出る?複数社に依頼すべき理由は?
A:
1社だけへの依頼は危険です。必ず2〜3社に依頼してください。
管理会社の査定は、その会社が管理・仲介している物件の実績データに基づいています。つまり、地域での取引実績が少ない管理会社は、精度が低くなりやすい。
また、管理を受託したい会社は「高め査定」を出してくることがあります。一方、リスクを嫌う会社は「低め査定」を出す。どちらも意図がある数字です。
複数社に依頼すると、査定額の分布が見えます。
実例:
僕が埼玉の物件で3社に査定を依頼したときの結果——
- A社: 78,000円(「慎重な設定です」)
- B社: 82,000円(「相場通りです」)
- C社: 85,000円(「高めですが交渉次第で決まります」)
この差を見れば、どこが相場の実態に近いかがわかります。B社の82,000円をベースに、SUUMOの調査結果も合わせて判断しました。
空室リスクの対策の観点からも、「低すぎる家賃で入居者を確保する」のは長期的には得策ではありません。適正価格で入居してもらった方が、収益の安定につながります。
Q4: 家賃は高め設定vs最初から適正価格、どちらが正解?エリア別の答えは?
A:
エリアによって答えが変わります。一律に「高め設定が正解」とは言えません。
需要が旺盛なエリア(都市部・駅近):
高め設定からスタートして、反応を見ながら調整する戦略が有効です。入居検討者が多いエリアでは、1〜2ヶ月様子を見て動きがなければ5,000円下げる、という段階的アプローチが使えます。
ただし——ポータルサイトへの掲載初日から2週間で問い合わせが来なければ、何かがズレています。価格か、写真か、設備か。早めに見直す判断が必要です。
需要が限定的なエリア(地方・駅遠):
最初から適正価格で出すのが正解です。ワンルーム投資の現実でも書きましたが、地方物件は「最初の1ヶ月」が入居者獲得の勝負です。高め設定で数ヶ月空室が続くより、適正価格で早期入居を確保した方が収益トータルで有利になります。
僕が保有する都内の物件では高め設定から始めましたが、埼玉の物件では最初から適正価格にしました。エリアの需要の深さが違うからです。
不動産市場の2026年トレンドを見ると、2026年春は賃貸需要が全体的に底堅い状況です。ただし、エリアによる格差は拡大しています。自分の物件があるエリアの「需要の深さ」を正確に把握することが出発点です。
Q5: 管理会社の査定とポータルサイトの掲載家賃が違う。どちらを信じる?
A:
どちらも「参考データの一つ」として扱い、総合判断するのが正解です。
ポータルサイトの掲載家賃は「オーナーや管理会社が希望している家賃」であり、「実際に成約した家賃」ではありません。強気に出しているオーナーの物件が含まれているため、全体として相場より少し高めに表示される傾向があります。
管理会社の査定は「実際の成約実績」に基づいていますが、前述の通り意図が入ることがあります。
僕が使っている判断軸:
- ポータルサイトで「長期掲載ではない物件」の家賃を見る(掲載2ヶ月以内が目安)
- 複数の管理会社査定の中央値を取る
- 実際に類似物件の内見者数を管理会社に聞く(反応の良い価格帯がわかる)
これを組み合わせると、実態に近い相場が見えてきます。
ちょっと話が逸れるけど——家賃相場を調べる作業って、最初は面倒に感じるんですが、3回やると「見え方」が変わります。「この物件は高め設定だな」「これは掲載初日から安い、なぜか」という感覚が育ちます。その感覚が、投資判断の精度にも直結するんですよね。
入居者審査で失敗した話でも同じことを書きましたが、「自分の目で情報を見る習慣」が大家として成長する上での基本だと思っています。
Q6: GW期間中の空室、家賃設定どうする?季節感・繁忙期の考え方
A:
正直に言うと、GW中に家賃設定を変えても、入居者の動きはほとんどありません。
賃貸の繁忙期は「2〜3月」(進学・転勤シーズン)と「9〜10月」(転勤の異動期)です。GW中に問い合わせがゼロでも、それは家賃のせいではなく「時期のせい」である場合がほとんどです。
では、GW中に何をすべきか——
今日(2026年5月1日時点)で空室がある場合の判断フロー:
- GW中は価格を変えない: 問い合わせが少ない時期に焦って下げると、繁忙期に適正価格に戻しにくくなります
- GW明けに一度見直す: 5月中旬に改めてポータルサイトを確認し、競合状況を把握する
- 6〜8月の空室は「安くするより条件を変える」: 敷金・礼金の見直し、フリーレント1ヶ月、設備追加(Wi-Fi無料など)で対応する方が得策
ただし——空室が3ヶ月以上続いているなら話は別です。その場合は家賃の見直しも含めた根本的な対策が必要で、戸建て賃貸投資の考え方でも書いた「需要の深さ」から再考する必要があります。
GWの繁忙感につられて焦った決断をしないこと——これがサラリーマン大家にとって一番大切なマインドセットかもしれません。
よくある質問
Q: 家賃相場を調べる最短の方法は?
A: SUUMOで「同じ駅・同じ間取り・同築年数帯」で絞り込み検索して、掲載中物件5〜10件の家賃を一覧メモするのが最短です。作業時間は10分以内。これを月1回やるだけで、相場感が身につきます。
Q: 家賃を下げたら今の入居者に値下げを要求される?
A: 募集家賃を下げても、既存の入居者に通知する義務はありません。ただし、既存入居者が同じ物件の新しい募集家賃を知った場合、値下げ交渉をしてくる可能性はゼロではありません。その場合は「入居時の契約条件が違う」「設備の状態が違う」という説明が有効ですが、長期入居してくれている入居者との関係を考えると、慎重な判断が必要です。
Q: ペット可にすると家賃を高くできる?
A: 高くできるケースとできないケースがあります。需要が旺盛な都市部では、ペット可物件は希少なため5,000〜10,000円の上乗せが可能なことがあります。一方、退去後の原状回復費用(ペット臭・傷の修繕)は割高になるため、家賃上乗せ分で実質的にペナルティをカバーできるかどうかの計算が必要です。本文で触れませんでしたが、ペット可設定は「エリアの需要調査」と「退去コスト試算」をセットでやることをおすすめします。
Q: 家賃設定は何年ごとに見直すべき?
A: 僕は「入居者の退去ごと」と「毎年1回(4月頃)」の2パターンで見直しています。退去ごとの見直しは当然として、年1回の定点観測をするだけで「いつの間にか相場が変わっていた」という見落としを防げます。不動産市場は3〜5年で大きく動くことがある(2020年コロナ禍→2024〜26年の金利上昇局面など)ため、「購入時に決めた家賃をずっと使い続ける」のは危険です。不動産投資の基礎から改めて確認することもたまには有益です。
追記(2026/05/01)
2026年の春の賃貸市場について、少し補足しておきます。
2024〜2026年にかけての金利上昇局面で、住宅ローン(特に変動金利)の負担が増え、「マイホーム購入を先送りにして賃貸に留まる」という選択をする世帯が増えています。実際、首都圏の賃貸需要は2025年後半から底堅い状態が続いており、2026年GW時点でも空室率の悪化は限定的です。
この流れは、賃貸オーナーにとってはポジティブなシグナルです。「購入から賃貸へ」の流れが続く間は、需要の下支えが期待できます。
ただし——だからといって強気な家賃設定が通じる「バブル状態」ではありません。需要の総量は増えていますが、入居者も情報リテラシーが上がっており、「割高な物件」はすぐに見抜かれます。不動産市場の2026年トレンドと不動産投資の基礎知識を合わせて読みながら、「需要が堅調な今こそ、適正価格で空室を埋める」という意識が大切だと思っています。
相場を自分で把握し、管理会社と対等に話ができる大家を目指してください。