戸建て賃貸投資2026|区分マンション大家が「今さら」戸建てを真剣に調べた理由と本音

利回り8〜11%が出るのに不人気な「戸建て賃貸」。区分マンション3戸保有の石田コウタが、メリット・デメリット・向いている人・融資の現実を包み隠さず解説します。家賃設定や管理会社選びも含めた実態を2026年版でまとめ。

戸建て投資賃貸経営サラリーマン大家不動産投資2026

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GW前の4月下旬、同じ会社の先輩(不動産投資歴5年、アパート一棟保有)からこんな話を聞きました。

「最近、戸建て賃貸への問い合わせが増えてるらしい。金利上昇で区分マンションを買いにくくなった人が、相対的に割安な戸建てに目を向け始めているんじゃないか、って業者が言ってた」

正直に言うと、最初は「へえ」くらいにしか思いませんでした。

僕は都内ワンルームマンション2戸と埼玉に1戸を保有する、いわゆるサラリーマン大家です。「不動産投資 = 区分マンション」という思い込みが根付いていて、戸建て賃貸という選択肢を真剣に考えたことがなかった。

でも——気になって調べ始めたら、これが意外と面白かったんです。

この記事では、区分マンション大家の目線で「戸建て賃貸投資」の実態を調べてわかったこと、良い点・悪い点を包み隠さず書いていきます。

なお、戸建て賃貸に限らず不動産投資全体に言えることですが、物件の「買い方」と同じくらい「家賃の設定方法」も重要です。家賃相場の調べ方と適正家賃の設定についても合わせて読んでいただくと、この記事の内容がより実践的になります。

戸建て物件の外観

2026年に「戸建て賃貸」が浮上している背景

2024年後半から2026年にかけて、日銀の利上げが続いています。変動金利は段階的に上昇しており、僕が取引している銀行でも投資用ローンの金利が0.3〜0.5%程度上がった実感があります。

こうなると、都市部の区分マンションで何が起きるか。

たとえば2,500万円の物件を変動2.5%・35年で借りると月返済額は約8.9万円。これが3.0%になると約9.6万円に上がる。表面利回り6%程度の物件だと、このコスト上昇がキャッシュフローに直撃します。

こうした状況で「もう少し利回りが高い物件はないか」と視野を広げると、浮上してくるのが戸建て賃貸です。

郊外や地方エリアで築20〜30年の戸建てを700万〜1,200万円で購入し、表面利回り8〜11%を狙う——。区分マンションと比べて1.5〜2倍程度の利回りが出ることもあります。

ちょっと話逸れるけど——これを知った時、「なぜもっと早く調べなかったんだろう」と少し後悔しました。先入観って本当に視野を狭める。(このくだり書きながら自分への戒めになっています)

区分マンションと戸建て賃貸、何が違うのか

区分マンション vs 一棟投資の比較については別の記事で詳しく解説していますが、今回は「戸建て賃貸」に特化して整理します。

比較項目区分マンション(都市部)戸建て賃貸(郊外〜地方)
購入価格1,500万〜3,000万円500万〜1,500万円
表面利回り5〜7%8〜11%
入居期間の傾向2〜3年(単身者中心)3〜7年(ファミリー層中心)
管理のしやすさ管理組合あり・比較的楽自己責任が増える
融資のつきやすさ★★★★★★★
流動性(売りやすさ)★★★★★★

数字だけ見れば、利回りは戸建てが圧倒的に有利です。

でも——それだけで飛びつくのは危険。重要な注意点が2つあります。

戸建て賃貸の「本音のデメリット」2つ

不動産の書類と計算

デメリット1: 空室期間が長くなりやすい

空室リスクの対策記事でも触れていますが、区分マンションと戸建てでは「需要の深さ」が根本的に異なります。

ワンルームマンションの入居者は転勤・進学・独立などのタイミングで常に一定数います。でも戸建て賃貸の入居者の多くはファミリー層で、子どもの学校区を変えたくないなどの事情から引っ越しのタイミングが限られている。

メリットとデメリットが表裏一体で、「一度入居したら長く住んでくれる」反面、「退去後の次の入居者を見つけるのに3〜6ヶ月かかることもある」というのが現実です。

デメリット2: 修繕費が読めない

区分マンションには修繕積立金という仕組みがあり、建物全体の大規模修繕コストがある程度予測できます。一方、戸建ては屋根・外壁・給排水・設備の修繕がすべてオーナー持ちです。

しかも築20〜30年の物件だと、購入後5〜10年以内に「屋根防水工事で100万円」「給湯器交換で20万円」「外壁塗装で80万円」といった出費が重なることがある。これが表面利回り10%の恩恵を一気に食い尽くす可能性があります。

自己資金に余裕がない状態で戸建て賃貸に飛びつくのはおすすめしません。初期費用の全体像を確認した上で、修繕積立用の予備費を手元に100万円以上残しておくことが不可欠です。

また、修繕のタイミングは管理会社との連携次第で大きく変わります。対応が遅い管理会社に任せていると、小さな不具合が大きな修繕コストに発展することもある。管理会社を途中で変更した経験談も参考にしてください。

サラリーマン大家目線のメリット3つ

デメリットを先に出しましたが、もちろんメリットもあります。

メリット1: 少ない購入価格でスタートできる

地方・郊外の築古戸建てなら500万〜800万円程度の購入価格も珍しくありません。投資ローンの基礎知識で解説していますが、フルローンが難しい場合でも、頭金200〜300万円で始められるケースがあります。区分マンションの頭金(相場300〜500万円)と比べると、エントリーの選択肢が広がります。

メリット2: 入居が決まれば安定性が高い

前述の通り、ファミリー層は「一度入居したら長く住む」傾向があります。単身向けワンルームで2〜3年ごとに退去・リフォーム・募集を繰り返すより、戸建てで5〜7年の長期入居が取れれば、管理の手間は意外と少なくなります。

メリット3: 競争が少なく掘り出し物に出会いやすい

区分マンション投資は投資家人口が多く、良い物件はすぐに買い手がつきます。一方、戸建て賃貸は参入者が少ないため、地元の不動産会社に顔を売っておくと「まだ表に出していない物件」を先に紹介してもらえることがあります。

なお、物件を選ぶ段階では物件内見の完全ガイドの確認ポイントが役立ちます。戸建ては区分マンションと異なる視点(屋根・基礎・給排水の状態)でチェックする必要があります。

戸建て賃貸に向いている人・向いていない人

住宅街と投資計画

サラリーマン大家のロードマップでも書きましたが、どんな投資も「自分のスタンスに合っているか」が重要です。

向いている人:

  • 自己資金に余裕がある(物件価格の20〜30%以上 + 修繕積立用100万円超を保有)
  • 地元や縁のあるエリアに詳しく、地域の不動産会社とのネットワークがある
  • 長期保有前提で、流動性(売りやすさ)を気にしない
  • ファミリー向け需要が安定しているエリア(学区・商業施設・駅近)を選べる

向いていない人:

  • 「融資ありきで始めたい初心者」——戸建て賃貸の融資は区分マンションより難しく、投資実績がない段階では条件が厳しい
  • 「月々のキャッシュフローが安定していないと不安」——空室リスクの高さを許容できない場合は区分マンション向き
  • 「物件管理に時間を使いたくない」——修繕対応はオーナーの裁量が大きく、突発的な対応が必要になる場面がある

僕の今の結論——「次の1戸候補」には入れた

今すぐ戸建てに飛びつくつもりはありません。

でも——調べて初めて見えてきたことがあります。「利回りが高い = リスクが高い」とは必ずしも言えないということです。

戸建てのリスクは「空室の長期化」と「修繕費の不確実性」です。確かに小さくない。でも、対策のしようがある話でもある。エリア選定を徹底して需要を確認する、修繕積立金を自分で積む、余裕資金を多めに用意する——これを実践できるなら、区分マンションに劣らない収益性が得られます。

利回りの計算方法で実質利回りを試算したところ、適切な物件なら実質利回り5〜7%(区分マンションと同等以上)が出ることも確認できました。

2026年の金利上昇局面で、戸建て賃貸は「穴場」になりうると思っています。焦る必要はありません。でも、選択肢を知っておくことは大事です。


よくある質問

Q: 戸建て賃貸って、区分マンションより管理が大変ですか?

A: 正直、大変な面があります。管理組合がない分、建物全体のメンテナンスがオーナー責任になります。管理会社に委託することは可能で、委託費(賃料の5〜8%程度)を許容できれば日常の手間は抑えられます。ただし突発的な修繕——給湯器の故障、雨漏りなど——への最終的な判断はオーナーがします。

Q: 戸建て投資のローンは通りやすいですか?

A: 区分マンションより難しいのが現実です。土地付き戸建ては担保としての安定性は高い一方、「収益物件としての実績がない」という理由で消極的な金融機関もあります。地方銀行・信用金庫を複数当たること、既存の投資物件の実績を提示することが有効です。

Q: 入居者がつかないと聞きますが、実際どうなのでしょうか?

A: ファミリー層の需要があるエリアを選べば、むしろ「長期入居してくれる」という強みがあります。ただし最初の入居者を見つけるまでに3〜6ヶ月かかるケースもあり、その間の資金繰りを手元資金でカバーできる準備が必要です。

Q: 築何年くらいまでが投資対象になりますか?

A: 一般的には築35年以内が目安です。木造建築の法定耐用年数(22年)を超えた物件は銀行融資が難しくなるため、フルローン前提なら築20年以内が現実的です。自己資金で購入するなら築30〜35年の物件を安く仕入れて高利回りを狙う戦略もあります。耐震基準(1981年6月以降の新耐震基準適合物件かどうか)は必ず確認してください。

Q: 区分マンションと戸建て、初心者にはどちらが向いていますか?

A: 初心者には区分マンションをおすすめします。融資のつきやすさ・管理の簡便さ・流動性の点で戸建てより安定しています。戸建ては2〜3件の投資実績を積んだ後、余裕資金と地域の人脈ができてから検討するのが堅実なルートだと思っています。


追記(2026/04/30): GW明けに知人が埼玉の戸建て物件(築28年・購入価格870万円・家賃見込み78,000円/月、表面利回り10.8%)を内見予定とのこと。同行させてもらえることになったので、結果は別記事でレポートします。


【2026年5月追記】戸建て賃貸の最新事情

2026年GW時点での最新情報です。金利上昇の影響もあって戸建て購入を見送り、賃貸に留まる子育て世帯が増えているというデータが出てきています。「広い賃貸」への需要は引き続き堅調で、戸建て賃貸の空室期間が短くなる傾向が続いています。ただし、エリアと物件の条件次第で差があるため、不動産市場の2026年トレンドも定期的に確認することをおすすめします。

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