買付申込書から決済まで完全タイムライン|初めての物件購入で後悔しないために

不動産投資の買付申込書の書き方から決済当日まで、サラリーマン大家が経験した全プロセスを時系列で解説。内見→買付→売買契約→融資審査→決済の流れと各注意点を完全網羅。

買付申込書物件購入初心者タイムライン売買契約

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GW明けに届いたメール

(GW明けの5月7日(水)に、これを書いています)

「ご連絡いただいた物件の件ですが、他のお客様が買付を入れられまして——」

不動産会社の担当者からのメールを読んだとき、正直かなり凹みました。

GW中に内見した物件。駅徒歩8分、築12年のワンルーム、実質利回り4.8%。「これは買いかな」と思いながら、GW中は休みを使って数字を検討して、「よし、GW明けに連絡しよう」と決めていた物件でした。

先に動いた人が取っていきました。

——これが3年前の話。

その後に買えた物件が現在の僕の主力資産になっているので結果オーライではあるのですが、あの経験で学んだのは「買付は意思が固まったその日に動く」という鉄則でした。

この記事では、内見から決済まで、初心者が迷いがちなポイントを時系列で整理します。「買付申込書ってどうやって出すの?」「その後の手続きはどう進むの?」という疑問に、経験者として答えていきます。

不動産契約イメージ

全体の流れ:買付から決済まで「平均47〜83日」かかる

まず全体像を把握しておきましょう。

内見 → 買付申込書提出 → 価格交渉 → 売買契約 → 融資審査申し込み → 融資内定 → 決済当日

このプロセスにかかる期間は、だいたい47〜83日(物件の状況・銀行の混み具合・売主の事情によってバラバラ)。

僕の1棟目は83日かかりました。平均より長かった理由は後で書きます。先に言うと、融資審査の前の段階でロスがあった。


ステップ1: 内見〜買付申込書を出すまで(当日中が理想)

内見で確認すべき「投資家目線の5点」

普通の購入者(自分が住む人)と投資家では、内見でチェックするポイントが違います。

投資家が内見で見るべきこと:

  1. 入居者がいる状態か確認する 入居中の物件の場合、室内は見れません。一方、空室物件は室内を確認できますが、「なぜ空室なのか」を必ず聞く。

  2. 管理組合の書類をもらう(区分マンションの場合) 長期修繕計画・管理組合の議事録・修繕積立金の積立額。特に修繕積立金の不足がないかは要チェック。

  3. 水回りの状態を目で確認する 給湯器・キッチン・バス・トイレの設置年数。10年を超えていると、近いうちに交換費用が発生する可能性が高い。

  4. 周辺環境を実際に歩く 物件を出て、最寄り駅まで実際に歩く。「駅徒歩8分」と書いてあっても、坂道がきつくて体感15分なんてことも。

  5. 競合物件の家賃を確認する その場でスマホで、同エリア・同間取りの募集家賃を検索する。想定家賃がズレていないか確認。

内見の詳しいチェックポイントは物件内見完全ガイドにまとめています。

買付申込書:「意思表示」であって「契約」ではない

内見して「買います」という意思を伝えるのが**買付申込書(購入申込書)**です。

ここで多くの初心者が誤解しているのが「買付を出したら必ず買わないといけない」という思い込み。

正直に言うと——買付申込書には法的拘束力がありません

ただし、だからといって軽く考えてはいけない。売主・仲介業者との信頼関係に関わります。「買います」と言って番手を取っておいて直前でキャンセル、を繰り返すと業者ブラックリストに入る可能性があります。

買付申込書に書くこと:

項目記入例
購入希望価格1,850万円(掲載価格1,980万円に対して)
融資特約の有無あり(融資が通らなければ白紙解約)
手付金物件価格の5〜10%程度(50〜200万円)
決済希望日〇〇年〇月〇日まで
その他条件残置物撤去依頼・設備の状態確認など

購入希望価格を掲載価格より下げていいの?」という疑問もよく聞かれます。答えはYes。指値(値下げ交渉)は普通のことです。ただし、根拠のない大幅値引きは交渉決裂の原因になります。

指値交渉の具体的な方法は価格交渉完全ガイドが参考になります。

書類・契約イメージ


ステップ2: 売買契約締結まで(買付提出から1〜3週間)

番手と競合:「1番手」が取れたらほぼ勝ち

買付を出した順番を番手といいます。

1番手(最初に買付を出した人)が価格交渉を優先的に行えます。1番手が交渉決裂した場合、2番手に権利が移る仕組みです。

「GW明けに連絡しよう」と思っていた僕が失敗したのは、この番手を他の人に取られたことが原因でした。

ちょっと話逸れるけど——不動産市場って、GW明けは動きが活発になる傾向があります。GW中に物件を見た人が、明け直後に一斉に動くから。5月の第1週は特に注意が必要です。

売買契約当日に確認すること

1番手で価格合意できたら、売買契約に進みます。

売買契約当日は重要事項説明から始まります。宅地建物取引士から契約内容・物件の詳細・リスクについて説明を受けます。ここは省略できない法定手続き。

売買契約で必ず確認すべき条項:

  • 融資特約の内容: 融資が通らなかった場合、手付金が全額戻ってくるか
  • 引渡し日: 決済・鍵の受け渡し日が明確か
  • 設備の引渡し状態: 残置物や設備の状態が書面で明確か
  • 瑕疵担保(契約不適合責任): 隠れた欠陥が見つかった場合の取り決め

売買契約当日に手付金を支払います。金額は通常、物件価格の5〜10%。2,000万円の物件なら100〜200万円。

この時点で「やっぱりやめます」となった場合、手付金を放棄すれば白紙解約できます(売主都合でのキャンセルの場合は手付金の倍額が返ってくる、という制度です)。


ステップ3: 融資審査〜決済当日まで(売買契約から30〜60日)

融資審査申し込みは「売買契約直後」に動く

売買契約が終わったら、翌営業日には銀行に融資審査の申し込みをする勢いで動くのが正解です。

僕の1棟目が83日かかった原因はここでした。「売買契約してから銀行を選ぼう」と思っていたせいで、銀行探しに1週間ロス。審査期間と合わせると全体で83日になってしまいました。

正解は「内見前から融資を受けられる銀行を3〜5行ピックアップしておく」こと。売買契約と融資審査申し込みを限りなく近いタイミングで行うのが理想です。

融資審査で準備すべき書類についてはローン審査完全ガイドで詳しく解説しています。

審査期間の目安:

金融機関の種類審査期間の目安
都市銀行(三菱UFJ等)3〜5週間
地方銀行2〜4週間
信用金庫2〜3週間
ノンバンク(オリックス銀行等)1〜2週間

ノンバンクは審査が早い分、金利が高め。都市銀行は金利が低いが審査が厳しく時間もかかる。

融資内定〜決済当日

融資が内定したら「融資承認通知書(内定通知)」が届きます。これで「確実に買える」状態に。

決済当日は金融機関・売主・仲介業者が一堂に集まる場で、以下を行います:

  1. 残代金の支払い(手付金を除いた残りの全額)
  2. 登記の申請(司法書士が手続き)
  3. 鍵の受け渡し

(書いてたらコーヒーが冷めた。今日はコンビニのアイスコーヒーを飲みながらこれを書いています)

決済当日にかかる費用の内訳(諸費用)については諸費用完全ガイドを参考にしてください。初期費用として物件価格の7〜10%程度は別途必要です。

決済・鍵渡しイメージ


初心者が陥りがちな3つのミス

ミス1: 買付を出すタイミングを「もう少し考えてから」と先送り

前述の通り、これが一番もったいない。「GW明けに連絡しよう」と思っていた物件は取られました。

意思が固まったらその日に動く。それだけです。

ミス2: 融資の準備を売買契約後から始める

金融機関の候補リストは、物件探しと並行して作っておく。不動産投資ローンの比較・選び方を参考に、自分が借りられそうな銀行を3行以上ピックアップしておきましょう。

ミス3: 購入前の収支シミュレーションが甘い

「利回りが良さそう」だけで動くのは危険です。実質利回り・月間キャッシュフロー・返済比率を必ず計算してから買付を出しましょう。

初めての物件購入シミュレーションのテンプレートを使うと、計算がしやすくなります。購入前の総合チェックについては物件購入チェックリスト完全版も合わせて確認してください。


よくある質問

Q: 買付申込書を出したら絶対に買わないといけないの?

A: 法的拘束力はないので、断ることは可能です。ただし、融資特約が付いていない段階でキャンセルすると仲介業者との信頼関係に影響します。売買契約締結後は「手付金放棄」でキャンセルできますが、相応の損失が出ます。意思が完全に固まってから買付を出すのが原則です。

Q: 買付申込書を複数の物件に同時に出してもいいの?

A: 常識的には避けるべきです。「1棟目と2棟目を同時に狙っていて、どちらかをキャンセルするつもり」という行為は業者からの信頼を失います。本当に買う意志のある1物件に絞って出すのがマナー。本命以外の物件に出す場合は、担当者に正直に「他にも検討中の物件があります」と伝えておくと誠実です。

Q: GW明けは物件が多く出るって本当?

A: 市場として「大きく増える」とは言えませんが、GW中に動けなかった案件が一気に動き出すので活発になる傾向はあります。ただし、GW中に内見した買主も一斉に動くため、競争が激しくなる側面もあります。5月の連休明けは特に「スピード感」が重要な時期です。

Q: 「融資特約」とはなんですか?

A: 売買契約に「ローンが承認されなかった場合、手付金全額返還で白紙解約できる」という条項を付けることです。初心者は必ず付けておきましょう。ローンが通らなかったのに手付金が戻らない、という最悪の事態を防ぎます。融資特約の期間(通常は1〜2ヶ月)内に融資承認が得られなかった場合に行使できます。


追記(2026年4月): 最近、読者から「GW前後に初めて内見に行ってきました」という報告をいただくことが増えました。動き始める人が増えているのは嬉しいことです。ただ「内見したけどその場で決断できなかった」という声も多い。正直に言うと——その感覚は正常です。でも「少し悩んで連絡する」では遅いことも多い。この記事で書いたプロセスを事前に頭に入れておくと、いざという時に動きやすくなるはずです。

まとめ

物件購入のプロセスを整理しました。

ポイントの再確認:

  • 買付申込書は「意思表示」。法的拘束力はないが、出すなら本気のときだけ
  • 番手を取ることが最重要。意思が固まったらその日に動く
  • 融資の銀行候補リストは物件探しと並行して作っておく
  • 買付から決済まで47〜83日程度を見込む
  • 融資特約は必ず付ける

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