競売物件はサラリーマン大家の狙い目か?よくある疑問7つに本音で答えます
競売物件は本当に安く買えるのか?内見できない・ローンは使えるか・居座りリスクなど、サラリーマン大家3年目の石田が競売物件の疑問に本音で回答。初心者が知るべき全論点を網羅。
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GW直前の4月下旬、少し仕事が落ち着いてきました。
今日は会社帰りに、ずっと気になっていた「競売物件」について書こうと思います。3棟目を探していた去年の秋(2025年10月頃)、毎日のように物件情報サイトを開いていたとき、会社の先輩から「BIT(裁判所の不動産競売物件情報サイト)を見てみろ」と言われたのが最初のきっかけです。
正直に言うと、この記事は「競売物件で成功した話」ではありません。競売を本気で検討して、いろいろ調べた末に「今の自分には時期尚早」と判断した——その過程で得た情報と考え方をまとめたものです。
同じように競売物件に興味を持っている方の参考になれば。
競売物件についてよくある質問まとめ
Q1: 競売物件って、そもそも初心者が手を出していいものなの?
A: 正直に言うと、最初の1〜2棟が終わってからがおすすめです。
競売物件は「通常の売買」とは手続きが根本的に違います。裁判所が手続きを管理し、入札で落札した人が取得するという仕組みです。
通常の不動産売買であれば、売主・仲介業者が間に入って手続きをサポートしてくれます。しかし競売では、裁判所の担当者はあくまで手続きの管理者であって、投資判断を助けてくれるわけではありません。
「何がわからないかもわからない」段階で競売に入ることはリスクが高い——それが僕の結論です。不動産投資の基本的な流れと物件の見方を身につけてからの方が安全です。
Q2: 競売物件は通常の物件より何%安いの?
A: 7〜25%程度安いケースが多いですが、「安さ」はおまけ程度に考えるべきです。
よく「競売物件は市場価格の80%で買える」と言われます。実際、落札価格が売却基準価額の1.0〜1.5倍前後で決まることが多く、市場価格との比較では概ね75〜93%くらいの水準になることが多いようです(エリア・物件種別によって大きく異なります)。
ちょっと話が逸れますが——「競売物件が安い」というのは、「それなりのリスクと手間の対価」という側面があります。内見できない、現況引渡しが原則、瑕疵担保責任なし、占有者問題のリスクあり——これらを全部受け入れた上での値段です。
「割引率だけ見て飛び込む」のは危険です。
Q3: 競売物件にも投資ローンは使えるの?
A: 使えますが、通常より難しいケースが多いです。
競売物件でも不動産投資ローンは使えます。ただし条件があります。
落札後の代金納付期限が短い(通常1〜2ヶ月)ため、事前にローンの内諾を得ておく必要があります。「落札してからローンを探す」では間に合わないことがほとんどです。
また、金融機関によっては「競売物件には融資しない」という方針のところもあります。競売物件は担保評価が難しいため、融資に慎重な金融機関は少なくありません。
僕が相談したメガバンクと地方銀行の2社は、どちらも「競売物件は対応していない」と言われました。ノンバンク系や一部の地方銀行は対応しているケースもあるようですが、金利がやや高めになる傾向があります。
Q4: 内見できないって本当?どうやって物件の状態を確認する?
A: 本当です。「3点セット」と外観確認で判断するしかありません。
競売物件の最大のリスクのひとつが、内見できないことです。
代わりに「3点セット」と呼ばれる書類(物件明細書・現況調査報告書・評価書)が裁判所から公開されています。これを読み込んで物件の状態を推測するのですが——正直、これだけでは見えてこない部分も多い。
通常の内見で確認すべきポイントを競売では一切確認できない。これは相当なハンデです。外観や共用部の状態は現地で確認できますが、専有部の中がどうなっているかは取得後のお楽しみ——というのが競売の怖いところです。
僕の場合、3点セットを読んでみたものの「これで判断しろというのか」と正直途方に暮れました(ここ書くのに30分悩んだ)。
Q5: 落札後に前の住人が「居座る」ケースがあると聞いたけど?
A: あります。でも対処方法はあります。
競売物件の占有問題は、よく耳にするリスクです。元の所有者や借家人が立ち退きを拒否して居座るケースがあります。この場合、裁判所の「引渡命令」という制度を使って強制的に退去させることができますが、時間と費用がかかります。
3点セットの「物件明細書」には、占有者がいるかどうか、賃料を払っているかなどの情報が記載されています。ここを必ず確認することが重要です。
正直なところ、この占有リスクは「慣れた不動産業者なら交渉力で解決できる」話でもあります。でもサラリーマン大家として本業を持ちながら、立ち退き交渉まで対応するのは精神的に相当キツい。これが僕が競売を「今じゃない」と判断した理由のひとつでもあります。
Q6: 競売物件を選ぶことで、失敗パターンにはまるリスクはある?
A: 「格安物件に飛びつく」という失敗パターンと親和性が高いので注意が必要です。
不動産投資の失敗パターンの中でよくあるのが、「利回りの高さや価格の安さに引かれて、物件の質やリスクを見落とす」というものです。
競売物件は「安い」という特性上、このパターンにはまりやすい。「市場価格の80%で買えた!」という成功感が先に来て、内部の損傷・設備の老朽化・修繕費を考慮すると実は割高だった——ということが起こりえます。
利回りの正確な計算方法を踏まえた上で、落札価格+修繕費+諸費用から実質利回りを計算することが不可欠です。「表面では高利回りに見えるが、フルリノベが必要だった」というケースも珍しくありません。
Q7: 結局、僕は競売を選んだの?選ばなかったの?
A: 今回は選びませんでした。でも選択肢として持ち続けています。
2025年の秋に検討して、最終的には通常の仲介物件(埼玉1戸目)を購入しました。
理由は3つ。
- 融資の目処が立たなかった: 競売物件への融資に積極的な金融機関との関係がまだ薄かった
- 本業の繁忙期と重なった: 落札後の短期間での対応が難しいと感じた
- 占有者問題のリスクを取りたくなかった: 精神的なコストが予想以上に高かった
「ここまで読んでくれた方に正直に言うと」——競売は確かに割安で買える可能性がある選択肢です。でも通常の売買よりも高い知識・対応力・時間が必要です。2棟目・3棟目で経験を積んでから、改めてチャレンジしたいと思っています。
競売物件に向いている人、向いていない人
まとめる前に、僕なりの「向き・不向き」を整理しておきます。
競売物件が向いている人
- 現金で購入できる(融資に依存しない)
- 通常の売買経験が3棟以上ある
- リフォームの知識・業者コネクションがある
- 占有者問題に対応できる時間・精神力がある
- 3点セットの読み込みを楽しめる探究心がある人
競売物件をおすすめしない人
- はじめての不動産投資
- 本業が多忙で対応時間が限られる
- 融資を前提に購入を考えている
- リスクに神経質な性格(僕もここに当てはまります)
よくある質問
Q: 競売物件の入札に参加するために特別な資格は必要ですか?
A: 資格は不要です。裁判所への入札申請書の提出と、売却基準価額の20%相当の保証金(現金または小切手)の供託が必要です。一般の個人でも参加できますが、手続きが煩雑なため、初めての方は司法書士に相談することをおすすめします。なお、保証金は落札できなかった場合は返還されます。
Q: 競売物件の代金はいつまでに支払う必要がありますか?
A: 落札後に裁判所から代金納付期限が通知され、通常は1〜2ヶ月以内に全額の支払いが必要です。融資を使う場合は事前に金融機関との内諾を得ておかないと間に合わないケースがほとんどです。本文で触れた投資ローンの選び方も合わせて読んでみてください。
Q: 競売物件の情報はどこで確認できますか?
A: 裁判所が運営する「BIT(不動産競売物件情報サイト)」で確認できます。全国の裁判所が管理する競売物件が一覧でき、3点セットの閲覧も無料で可能です。ただし、書類の読み方には慣れが必要で、経験を積んだ上で活用することをおすすめします。
Q: 競売落札後のリフォームで想定外の費用がかかることはありますか?
A: あります。内見できない分、取得後に初めて判明する損傷・設備の故障・設備の老朽化が起きることがあります。初物件購入チェックリストの観点を意識しつつ、現地の外観確認と3点セットの現況調査報告書を可能な限り精読した上で、修繕費の予備費を落札予算に組み込んでおくことが重要です。
追記(2026/04/28)
この記事を公開後、いくつかDMや問い合わせをいただきました。「競売は難しそうだと思っていたが、意外と一般人でも参加できるんですね」という感想が多かった。
ひとつ補足しておくと——競売物件への融資対応に積極的な金融機関として、ノンバンク系(セゾンファンデックス・オリックス銀行等)が挙げられることが多いようです。ただし通常の投資ローンより金利が高めになる傾向があります。投資ローンの比較記事も参考に、複数の金融機関に相談してみてください。
また、GW中に「競売デビューしてみようか」と思っている方へ——いきなり入札するのではなく、まず数件の物件のBITページを読み込む練習から始めることをおすすめします。感慨深いものがありますが、この「書類を読む力」こそが競売投資の核心です。
まとめ:競売は「知った上で選ぶ」選択肢
競売物件は、正しく活用すれば通常の売買より割安に物件を取得できる可能性があります。ただし、通常の不動産売買よりも高い知識・対応力・時間が必要です。
焦る必要はありません。まず通常の売買で経験を積み、自信がついてきたら競売という選択肢を加えていく——それが僕がたどり着いた考え方です。一歩ずつ、確実に進めていきましょう。