区分マンション vs 一棟アパート、サラリーマン大家はどっちを買うべきか【3年間の実体験で語る】
区分マンションと一棟アパート、どちらから始めるべき?実際に都内2戸+埼玉1棟を所有するサラリーマン大家が、リスク・リターン・融資の現実を数字で解説。
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不動産投資を始めて、3年が経ちました。
現在の所有物件は、都内の区分マンション2戸と、埼玉の中古一棟アパート1棟。年間キャッシュフロー(税引後)は約180万円です。
最初に買ったのは、都内のワンルーム区分マンション。自己資金250万円、借入1,800万円でした。
あの暑い日に——契約書にサインをした日のことを、今でも鮮明に覚えています。
「区分か、一棟か」。
これは、不動産投資を始める誰もが一度は悩む問いです。ネットで調べれば、「区分は儲からない」「一棟こそ本物の投資」といった意見が溢れています。
でも、実際に両方を所有してみて分かったこと——それは、「どちらが正解」ではなく、「どちらから始めるべきか」という順序の問題だということでした。
この記事では、3年間の実体験をもとに、区分マンションと一棟アパートの「リアルな違い」を、数字とともに書いていきます。
区分マンション vs 一棟アパート【比較表】
まず、基本スペックの比較から。
| 項目 | 区分マンション | 一棟アパート |
|---|---|---|
| 必要自己資金 | 100〜300万円 | 500万円〜2,000万円 |
| 物件価格 | 1,500〜3,000万円 | 5,000万円〜2億円 |
| 利回り(表面) | 4〜6% | 7〜10% |
| 空室リスク | 100% or 0% | 分散可能 |
| 管理の手間 | 少ない(管理組合任せ) | 多い(自分で業者選定) |
| 出口戦略 | 売りやすい | 売りにくい |
| 修繕リスク | 管理費に含まれる | 全額自己負担 |
数字だけ見ると、一棟のほうが「投資らしい」と感じるかもしれません。
でも、実際に運用してみると、この表だけでは見えない「現実」があります。
僕が最初に「区分マンション」を選んだ理由
2022年、当時35歳の僕が最初に購入したのは、都内墨田区の築15年・1Kマンション(22㎡)でした。
物件価格: 2,050万円 自己資金: 250万円 借入金額: 1,800万円(金利1.8%・35年) 表面利回り: 5.2%(家賃9万円/月)
正直に言うと、「一棟を買う勇気がなかった」というのが本音です。
当時の僕の貯金は600万円。そのうち250万円を投入して、残り350万円を生活防衛資金として残す——これが、サラリーマンである僕にとっての「許容できるリスク」のラインでした。
結果として、この判断は間違っていなかったと思っています。
なぜなら、区分マンションで「不動産経営の基礎」を学べたからです。
区分マンションで学んだ「3つのリアル」
1. 空室リスクの怖さ
購入から1年半後、最初の入居者が退去しました。
次の入居が決まるまで、3ヶ月。
その間のローン返済(月7.5万円)は、完全に持ち出しです。3ヶ月で22.5万円が消えました。
「空室リスク」という言葉は知っていましたが、実際に自分の口座から毎月7.5万円が消えていく感覚——これは、経験してみないと分からないものがあります。
2. 管理会社の重要性
最初の管理会社は、正直に言って最悪でした。
退去後のクリーニングが雑で、内見に来た人が「ここはちょっと…」と帰ってしまったことが2回。
3ヶ月目に管理会社を変更したところ、1週間で入居が決まりました。
不動産投資は、物件選びより「管理会社選び」が重要——これを痛感した出来事です。
3. 出口戦略の現実
区分マンションは、売りやすい。
これは本当です。2年目に「試しに」売却査定を出してみたところ、購入価格の95%(1,950万円)で買い取りオファーがありました。
つまり、いつでも逃げられるという安心感がある。
これは、サラリーマン大家にとって非常に大きい心理的メリットです。
そして、一棟アパートへ
区分マンション2戸を運用して2年半——年間キャッシュフロー約80万円(税引後)を達成した段階で、僕は一棟アパートの購入に踏み切りました。
物件: 埼玉県川口市・築25年・木造アパート(1K×8戸) 物件価格: 6,500万円 自己資金: 1,200万円 借入金額: 5,300万円(金利2.2%・25年) 表面利回り: 8.5%(満室想定家賃46万円/月)
自己資金は、区分マンション2戸のキャッシュフローを2年間貯めた分と、本業の貯金を合わせたものです。
一棟アパートを購入するエリア選定でも相当悩みました。投資エリアの比較と選び方が判断の参考になります。都心から少し離れるだけで利回りが大きく変わる現実があります。
一棟アパートで直面した「想定外」の3つ
1. 修繕費用の重さ
購入3ヶ月目、給湯器が2台同時に故障しました。
交換費用: 1台12万円 × 2 = 24万円
区分マンションなら、設備交換は管理組合の修繕積立金で対応できますが、一棟はすべて自己負担です。
この時、「一棟のリスクってこれか」と実感しました。
2. 空室リスクの分散という「救い」
一方で、一棟の最大のメリットも体験しました。
8戸のうち2戸が同時に空室になった時期がありました(入居率75%)。
でも、残り6戸の家賃収入があるため、キャッシュフローはギリギリプラスを保てました。
区分マンションなら、空室=即赤字ですが、一棟は「多少の空室は耐えられる」という強みがあります。
3. 融資の厳しさ
正直に言うと、一棟の融資審査は想像以上に厳しかったです。
年収700万円、自己資金1,200万円、既存物件のキャッシュフロー実績あり——それでも、3つの銀行に断られました。
結果的に4つ目の地方銀行で承認されましたが、「一棟は誰でも買えるわけじゃない」という現実を知りました。
不動産投資のローン審査攻略ガイドでも書いていますが、銀行によって「見ているポイント」が全く違います。最初から複数行に当たることを前提に動くことが重要です。
「結局、どっちから始めるべきなの?」への僕の答え
3年間の経験を踏まえて、僕の結論はこうです。
パターン1: サラリーマンで不動産投資が初めて → 区分マンション一択
理由:
- 自己資金が少なくても始められる(200〜300万円)
- リスクが限定的(最悪、売却すれば損失は限定される)
- 管理の手間が少ない(本業に支障が出にくい)
- 失敗しても「学び」として次に活かせる
僕自身、区分マンションで2年間経験を積んでから一棟に進んだことで、失敗のリスクを大幅に減らせたと感じています。
なお、区分マンション購入時の初期費用は思ったより大きくなりがちです。初期費用の完全ガイドで事前に試算しておくと、「自己資金300万円あれば余裕で買える」という誤解を防げます。
パターン2: 自己資金1,000万円以上、かつ不動産知識がある → 一棟アパートも選択肢
ただし、以下の条件を満たす場合に限ります:
- 物件の目利きができる(最低10件は内見経験がある)
- 管理会社のネットワークがある
- 修繕費用300万円を別途確保できる
- 空室が6ヶ月続いても耐えられる資金力がある
これらを満たさないなら、まずは区分マンションで経験を積むべきです。
不動産投資の失敗パターンでも書きましたが、一棟での失敗は「取り返しがつかない」レベルになることがあります。
僕の現在のポートフォリオと今後の方針
現在の所有物件:
- 都内区分マンション(墨田区): キャッシュフロー +3万円/月
- 都内区分マンション(江東区): キャッシュフロー +2.5万円/月
- 埼玉一棟アパート(川口市): キャッシュフロー +8万円/月
合計: 年間キャッシュフロー約162万円(税引後)
今後の方針は、区分マンションを1戸追加してから、2棟目の一棟アパートを検討する予定です。
なぜなら、区分マンションは「安定したキャッシュフローの土台」として機能しており、一棟のリスクを吸収するクッションになっているからです。
サラリーマン大家のロードマップでも触れましたが、「区分で基礎を作り、一棟で加速する」——これが、僕の考える最も堅実な戦略です。
まとめ: 焦る必要はない。一歩ずつ進めばいい。
区分マンションと一棟アパート——どちらが「正解」ではありません。
大事なのは、自分の現在地に合った選択をすることです。
- 自己資金300万円以下 → 区分マンション
- 自己資金1,000万円以上 + 知識・経験あり → 一棟アパート
- 迷ったら → まず区分マンションで経験を積む
僕自身、最初の1戸を買うまでに2年間悩みました。
でも、あの時踏み出して本当によかったと思っています。
不動産投資は、焦る必要はありません。一歩ずつ、自分のペースで進めていけばいいのです。
まずは、不動産投資セミナーに参加して、「自分の年収・貯金額でどのくらいの物件が買えるのか」をシミュレーションしてみてください。
漠然とした不安が、具体的な数字に変わる瞬間があります。
よくある質問(FAQ)
Q: 区分と一棟、初心者はどっちから始めるべき?
A: 僕の答えは「迷ったら区分マンション」です。理由は3つ。(1)自己資金200〜300万円から始められる、(2)最悪の場合でも売却すれば損失が限定的、(3)管理の手間が少なく本業に支障が出にくい。一棟は利回りが高く魅力的ですが、修繕・空室・融資審査のリスクが区分とは別次元です。区分で「不動産経営の基礎」を学んでから一棟に進む順序が、最も堅実だと思っています。
Q: 一棟アパートのローンはサラリーマンでも通る?
A: 通ります。ただし、条件は想像以上に厳しい。僕自身、年収700万円・自己資金1,200万円・既存物件のキャッシュフロー実績ありでも3行に断られました。ポイントは「属性(年収・勤続年数・勤め先)」「自己資金比率(物件価格の15〜20%以上)」「既存借入のバランス」です。1行で断られても諦めず、地方銀行・信用金庫も含めて複数行に当たることが重要です。
Q: 区分マンションはやめとけってよく聞くけど本当?
A: 「やめとけ」論の根拠は主に「利回りが低い(4〜6%)」「管理費・修繕積立金で手残りが少ない」の2点です。これは事実ですが、「だから買うな」ではなく「だからこそ物件選びが重要」という話です。立地が良く、空室リスクが低く、出口(売却)が見えている物件を選べば、区分マンションでも十分なキャッシュフローと資産価値の維持が可能です。「区分はダメ」ではなく「良い区分を選ぶ目を持つ」ことが大事。
【2026年4月追記】 この記事を書いてから約3ヶ月が経ちました。埼玉の一棟アパートは空室が1室出ましたが、フリーレント1ヶ月の提案で52日目に入居が決まりました。区分の安定感と一棟のスケールメリット、どちらも「持っておいてよかった」と思える場面があります。