不動産投資の収支管理ツール比較|Excelからfreeeまで3年使って決めた答え

サラリーマン大家がExcel・マネーフォワード・freeeを3年使い比較。確定申告連携や月額コストを徹底検証し、大家タイプ別のおすすめを解説。

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不動産投資の収支管理ツール比較|Excelからfreeeまで3年使って決めた答え

(GW直前にコーヒーを飲みながら書いてます)

3月の確定申告シーズンが終わるたびに、「来年こそはもっとスムーズにやりたい」と思う。そしてGWを前にして、ようやく腰を上げてツールを見直す——この繰り返しを2年続けた。

僕は石田コウタ、38歳。都内メーカーの経理部に勤めながら、区分マンション3戸(東京2、埼玉1)を保有するサラリーマン大家です。年間のキャッシュフローは約120万円。本業でExcelを毎日使っているのに、なぜか自分の投資物件の収支管理では何度も失敗してきた。

正直に言うと、「経理担当者が収支管理で悩むのか」と思われるかもしれない。でもこれが現実で、自分の投資は仕事と違って「怠ける言い訳」がいくつでも出てきてしまう。

この記事では、Excel自作・マネーフォワード確定申告・freee会計の3つを3年かけて使い込んだ経験から、大家の収支管理ツール選びの答えをお伝えします。

デスクでノートパソコンと領収書を整理している様子

なぜ収支管理ツールを変えようと思ったか

1戸目を買った2022年当時、収支管理はExcelで自作していた。経理部員として「Excelならなんでもできる」という自信があったからだ。

最初の1年は問題なかった。物件が1戸、家賃収入と管理費・ローンを記録するだけなら、手製のスプレッドシートで十分だった。

転機は2023年1月末の棚卸し作業だった。2戸目を購入していたことで、管理する勘定科目が一気に増えた。

  • 物件ごとの減価償却
  • 修繕費と資本的支出の区分
  • 借入金の元本・利息の分離
  • 管理会社への委託料
  • 火災保険料の月次按分

減価償却を使った節税戦略でも触れているが、複数物件になると各物件の減価償却テーブルを別々に管理する必要がある。Excelでそれをやろうとすると、数式が複雑になり、1箇所のミスが全体に波及する。

そして2023年3月の確定申告で、計算ミスを2箇所発見した。幸い税務上の影響は軽微だったが、「これは来年も繰り返す」と確信した。あの緊張感は本業の決算より精神的にきつかった。

僕が試した3つのツール(比較表付き)

3年間でExcel自作・マネーフォワード確定申告・freee会計の3つを試した結論から言うと、サラリーマン大家には freee が一番合っていると思う。ただし「合う人・合わない人」は確実に存在する。まず比較表を見てほしい。

Excel自作マネーフォワード確定申告freee会計
月額コスト0円1,280円〜(年払いで月換算)1,298円〜(年払いで月換算)
不動産収支対応△(要自作)
確定申告書類連携×
銀行口座の自動取込△(手動)
複数物件の物件別管理△(要工夫)
減価償却の自動計算△(要関数設定)
学習コスト高い中程度低い
スマホ対応
税理士への共有×

Excel自作

正直ここは微妙だと思う点: Excelは「自由すぎる」ことが最大の弱点だ。関数を自分で作れるぶん、属人化しやすい。1年後に自分が作ったシートを見て「これ何の数式だっけ」となる経験を2回した。

利点は月額0円と、本業でExcelを使い慣れている人なら初期の敷居が低いこと。1物件・収支が単純な段階なら十分機能する。

マネーフォワード確定申告

不動産所得専用の入力画面があり、物件ごとに家賃収入・経費を仕訳できる。確定申告書類の自動生成が強みで、不動産投資の確定申告と節税対策でも紹介したように、青色申告の65万円控除に必要な帳簿が自動で揃う。

正直ここは微妙だと思う点: UIが複数の機能を横断するつくりで、慣れるまで「いまどこの画面にいるのか」が分かりにくい。特に銀行連携後の仕訳確認画面が直感的でなく、僕は最初の1ヶ月で3回は迷子になった。

月額は個人プランで月1,280円〜1,980円(プランによる)。

freee会計

フリーランス・個人事業主向けに作られているため、「事業の収支を管理する」という思想がインターフェースに一貫している。不動産賃貸業は事業に分類されるので、freeeの設計思想がそのまま使える。

正直ここは微妙だと思う点: 月額が1,298円〜2,178円(プランによる)と、Excel自作に比べれば当然コストがかかる。また、不動産投資専用というわけではないので、「不動産賃貸業」としての勘定科目設定を最初に自分でカスタマイズする必要がある。この初期設定を面倒に感じる人もいるだろう。

ただし、一度設定してしまえばあとは入力するだけ。銀行口座・クレジットカードの自動取込で、毎月の記帳時間が以前の3分の1以下になった。

スマートフォンで家計管理アプリを操作している様子

ツール別・向いてる大家のタイプ

「いや、税理士に全部丸投げしているんだけどどれがいい?」って思った方へ——税理士に依頼している場合でも、日々の収支記録は大家自身でやることになる。ツールによっては税理士へのデータ共有が簡単にできるので、それを基準に選んでもいい。

Excel自作が向いている大家:

  • 物件が1戸で、収支の種類が少ない
  • IT機器が苦手でWebサービスへの抵抗感がある
  • 月額コストをゼロにしたい

マネーフォワードが向いている大家:

  • 不動産投資以外にも個人の家計管理や、他の副業収入も一元管理したい
  • 普段から家計簿アプリ「マネーフォワードME」を使っていて、同じエコシステムに統一したい
  • サラリーマン大家の税金対策完全ガイドで紹介した節税対策を細かく記録したい

freeeが向いている大家:

  • 物件が2戸以上あり、物件別の収支を正確に把握したい
  • 自分で確定申告書類を作成したい(税理士費用を抑えたい)
  • 操作のシンプルさを重視する
  • スマホで外出先からも入力したい(現地調査帰りにその場で入力できる)

キャッシュフロー比較シミュレーションでも書いたが、物件が増えるほど収支の精度が投資判断に直結してくる。「なんとなく黒字」ではなく「物件Aは月+2.3万円、物件Bは月-0.8万円(修繕費多め)」という粒度で把握できるかどうかで、2棟目・3棟目の購入判断が変わる。

3年使った結論と乗り換え手順

結論を言う。僕は2024年1月からfreeeに移行して、今もfreeeを使っている。

理由は3つ。

  1. 複数物件の減価償却を自動計算してくれる(物件登録するだけ)
  2. 確定申告書類が自動生成されるので、3月の確定申告が格段に楽になった
  3. 税理士に見せたいときにワンクリックで共有できる

自己資金370万円、借入1,610万円で1戸目を購入し、2年後に2戸目(借入1,480万円)、翌年に3戸目(借入1,200万円)と増やしてきた。修繕費の積立計画でも書いたように、物件が増えると突発的な修繕費の管理も重要になる。そういった経費の記録も、freeeならスマホで撮影した領収書をそのまま添付できる。

Excelからfreeeへの乗り換え手順(参考):

  1. freeeの無料トライアルに登録(30日間)
  2. 物件情報を登録(住所・取得年月・取得価額・耐用年数)
  3. 金融機関・クレジットカードを連携
  4. 過去のExcelデータは、当期の期首残高として入力する(過去を全件移行する必要はない)
  5. 1ヶ月間トライアルしてから本契約を判断

不動産投資のシミュレーションと1棟目購入の判断基準でも財務計算の重要性に触れているが、日々の収支記録がきちんとできていないと、シミュレーションと実績のズレを把握できない。投資判断の質を上げたいなら、収支管理ツールへの月1,000〜2,000円は安い買い物だと思っている。

サラリーマンが会社規則に触れずに不動産投資するための完全ガイドでも言及しているが、副業として不動産投資をしているサラリーマンにとって、帳簿の整備は法的な守りにもなる。確定申告で所得が正確に申告されていれば、会社からの指摘を受けた場合でも「事業的規模ではなく、資産管理の範囲」として説明しやすい。

よくある質問

Q: 物件1戸でも会計ソフトを使う価値はありますか?

A: 月1,000〜2,000円のコストに対して、確定申告の手間が格段に下がるという実感がある。ただし、収支の種類が家賃収入・管理費・ローン利息のみのシンプルな状態なら、最初の1〜2年はExcelでも問題ない。2戸目を購入するタイミングで乗り換えを検討するのが現実的だと思う。

Q: マネーフォワードとfreeeはどちらが安いですか?

A: 年払いで計算すると、マネーフォワード確定申告のパーソナルプランが月換算1,280円〜、freeeのスタータープランが月換算1,298円〜と、ほぼ同水準。上位プランになるとどちらも月1,980円〜2,178円程度になる。コストだけで選ぶならほぼ互角なので、UIの使いやすさで判断することをすすめる。

Q: 税理士に依頼しているのにツールが必要ですか?

A: 税理士への依頼と日々の記帳は別の話だ。記帳を税理士に丸投げすると、月額の顧問料が上がる(1〜2万円/月が相場)。自分でfreeeやマネーフォワードに入力しておけば、税理士には確定申告の最終チェックだけ依頼できる(スポット依頼で3〜5万円程度)。不動産投資の税金対策と確定申告でも触れているが、記帳コストをどこで持つかは収益に直結する。

Q: 投資用ローンの支払いはどう記録すればいいですか?

A: 毎月の返済額を「元本返済分」と「利息分」に分けて記録するのが基本。元本返済は負債の減少(経費にならない)、利息は経費として計上できる。この区分けをExcelで毎月手入力するのは手間がかかるが、freeeなら不動産投資ローンの比較と選び方で解説したような返済スケジュール表をもとに自動入力設定ができる。

Q: 確定申告ソフトとして使うなら、どちらがミスが少ないですか?

A: 個人的にはfreeeの方がミスしにくい設計だと感じた。入力画面がウィザード形式(質問に答えていくだけ)なので、記入漏れに気づきやすい。マネーフォワードは自由度が高いぶん、慣れないうちは見落としが出やすかった。どちらも無料トライアルがあるので、大家業の管理会社選びガイドを参照しながら自分の状況を整理してから試してみることをすすめる。


追記(2026/04/19): freeeが2026年3月のアップデートで不動産賃貸業向けのテンプレートを追加した。以前は自分で勘定科目をカスタマイズする必要があったが、今は「不動産賃貸業」を選択するだけでよく使う科目が自動でセットアップされるようになった。新規登録のハードルがさらに下がったと感じる。マネーフォワードも同時期に青色申告決算書の自動チェック機能を強化しているので、どちらのツールも年々使いやすくなっている印象だ。


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