【シミュレーション付き】初めての不動産投資|年収500万円サラリーマンの具体的な数字

年収500万円のサラリーマンが中古ワンルームマンションを買う場合のリアルなシミュレーション。頭金・ローン・キャッシュフロー・税金まで具体的な数字で解説。

不動産投資シミュレーション年収500万初心者キャッシュフロー

「具体的に、いくら必要で、いくら残るの?」

不動産投資に興味を持ったとき、最初に知りたいのは理屈じゃない。数字です。

「自分の年収で買えるのか」「毎月いくらの収支になるのか」「本当にプラスになるのか」——この疑問に対して、ふわっとした説明ではなく、できるだけリアルな数字で答えたいと思います。

僕自身、年収580万円だった2019年に最初の物件を買いました。当時は夜な夜なスプレッドシートとにらめっこして、何度もシミュレーションを組み直した。あの頃の僕が欲しかった記事を、今から書きます。

この記事では年収500万円のサラリーマンが都内近郊の中古ワンルームマンションを購入するという設定で、購入から運用、確定申告までを数字で追いかけていきます。

資金計画のイメージ

前提条件の整理

まず、シミュレーションの前提を明確にしておきます。ここが曖昧だと数字が意味をなさないので。

購入者のプロフィール

項目内容
年齢32歳
年収500万円(額面)
勤務先従業員300名以上の民間企業、勤続7年
家族構成独身(または既婚・配偶者収入あり)
自己資金150万円
借入れなし(住宅ローン・車のローンなし)

購入物件

項目内容
所在地東京都板橋区(駅徒歩8分)
構造RC造(鉄筋コンクリート)
築年数築22年(2004年築)
専有面積20.5m²
間取り1K
物件価格1,280万円
想定家賃6.3万円/月(年間75.6万円)
表面利回り5.9%

この物件設定は、2026年3月時点の相場感に基づいています。板橋区・練馬区・足立区あたりの駅徒歩10分以内で、築20年前後の中古ワンルームならこのくらいの価格帯です。

ステップ1:購入時に必要な費用

物件価格だけを見て「買える」と思うのは早い。諸費用がかかります。

購入諸費用の内訳

項目金額備考
仲介手数料48.8万円(1,280万円 × 3% + 6万円) × 1.1
登録免許税約10万円所有権移転 + 抵当権設定
司法書士報酬約8万円
印紙税1万円売買契約書
火災保険(10年)約3万円
ローン事務手数料約5万円金融機関による
不動産取得税約8万円購入後3〜6ヶ月で請求
諸費用合計約84万円物件価格の約6.6%

自己資金の使い道

項目金額
頭金50万円
諸費用84万円
必要自己資金合計134万円
手元に残る余裕資金16万円

自己資金150万円だと、頭金50万円+諸費用84万円で134万円。手元に残るのは16万円。正直ギリギリです。できれば自己資金200万円は欲しいところですが、150万円でもスタートは切れる。

購入前のチェックポイントは初めての物件選びチェックリストにまとめてあります。

ステップ2:融資条件

ローンのシミュレーション

項目内容
借入額1,230万円(物件価格1,280万円 - 頭金50万円)
金利1.9%(変動金利)
返済期間35年
月々の返済額40,460円
年間返済額485,520円
総返済額約1,699万円

年収500万円に対して借入額1,230万円なので、年収倍率は約2.5倍。投資用ローンの場合、年収の8〜10倍程度まで借りられるケースが多いので、審査は十分通る水準です。

ただし、金利1.9%は2026年3月時点での目安。金融機関や個人の属性によって1.6%〜2.3%程度の幅がある。金利が0.3%変わるだけで月々の返済額は約1,500円変わるので、複数の金融機関に当たることが重要です。

融資の全体像については投資用ローン完全ガイドで詳しく解説しています。

ステップ3:毎月の収支シミュレーション

ここが一番知りたいところだと思います。

毎月の収入

項目金額
家賃収入63,000円

毎月の支出

項目金額備考
ローン返済40,460円
管理費7,500円マンション管理組合へ
修繕積立金5,800円マンション管理組合へ
管理委託費3,465円賃貸管理会社へ(家賃の5.5%)
支出合計57,225円

毎月のキャッシュフロー

63,000円 - 57,225円 = +5,775円/月

年間では**+69,300円**。

——正直に言う。この数字を見て「たったこれだけ?」と思った方が多いと思います。

月5,775円。年間7万円弱。コンビニバイトのほうが稼げるじゃないか、と。

でも、この数字の裏側にはもう少し大きなものが隠れています。

キャッシュフロー計算のイメージ

ステップ4:見えないリターンを数字にする

キャッシュフロー(手残り)は月5,775円。しかし、不動産投資のリターンはキャッシュフローだけではない。

ローン返済のうち元金返済分

月々のローン返済40,460円のうち、初年度の内訳は以下の通り。

  • 元金返済:約21,000円/月
  • 利息:約19,460円/月

この元金返済分は、入居者の家賃で自分の資産(物件の持ち分)が増えている——つまり「貯金」に近い。年間では約25万円分のローン元金が減る。

減価償却による節税効果

RC造マンション(築22年)の減価償却は、建物部分を残存耐用年数で計算します。

  • 物件価格1,280万円のうち建物比率を60%とすると、建物価格は768万円
  • RC造の耐用年数47年、築22年なので残存年数=(47-22) + 22×20% = 29.4年 → 29年
  • 年間減価償却費:768万円 ÷ 29年 ≒ 26.5万円

この26.5万円が帳簿上の経費になる。年収500万円(所得税率20%・住民税率10%)の場合、節税効果は以下の通り。

26.5万円 × 30% ≒ 約8万円/年の節税

さらに初年度は諸費用の一部(ローン事務手数料、登録免許税など)も経費計上できるため、初年度の節税効果はもう少し大きくなる。

トータルリターンの整理(年間)

項目金額
キャッシュフロー+69,300円
ローン元金返済分(資産増加)+約250,000円
節税効果+約80,000円
トータルリターン(概算)+約399,300円/年

自己資金134万円に対して、年間約40万円のリターン。自己資金利回りは約30%

もちろんこれは「空室ゼロ・修繕費ゼロ」の理想値です。現実にはリスクがある。次のステップで、そのリスクを織り込みます。

ステップ5:リスクを織り込んだ現実的なシミュレーション

空室リスク

都内ワンルームの平均空室率は約5%前後。年間で考えると、2年に1回退去があり、空室期間が平均1ヶ月——というイメージ。

  • 空室による損失:63,000円 × 0.5ヶ月/年 = 31,500円/年
  • 退去時の原状回復費(オーナー負担分):約5万円/回 → 25,000円/年

設備修繕費

給湯器、エアコン、水栓などの設備は10〜15年で交換時期がくる。年間の平均修繕費として3万円を見込む。

家賃下落リスク

築22年のワンルームマンションは、ここから急激に家賃が下がる可能性は低い。ただし、10年間で5%程度の下落は想定しておいたほうがいい。年平均にすると3,150円/年の減少。

リスク織り込み後の年間キャッシュフロー

項目金額
年間家賃収入756,000円
ローン返済-485,520円
管理費・修繕積立金-159,600円
管理委託費-41,580円
空室損失-31,500円
退去時原状回復費-25,000円
設備修繕費-30,000円
年間キャッシュフロー(現実的)-17,200円

マイナスになりました。

——ここで焦る必要はない。

年間マイナス17,200円ということは、月々約1,400円の持ち出し。その裏でローン元金が年間25万円減り、節税効果が年間8万円ある。トータルでは約31万円のプラスです。

ただし、キャッシュフローがマイナスである以上、毎月の家計から補填する必要がある。この感覚を「耐えられる」と思えるかどうかが、投資判断の分かれ目になります。

ステップ6:10年後のシミュレーション

10年後(購入者42歳、物件築32年)の状態を見てみます。

項目10年後の数字
ローン残債約920万円(当初1,230万円)
想定売却価格約950〜1,050万円
売却益(税引前)30〜130万円
10年間のトータルキャッシュフロー約-17万円
10年間の節税効果合計約80万円
10年間のトータルリターン約93〜193万円

自己資金134万円を10年間投下して、93〜193万円のリターン。年平均利回りに換算すると**7〜14%**程度。銀行預金や投資信託と比較して、十分魅力的な数字ではないでしょうか。

もちろん、売却価格が想定以下になるリスクもある。でも都心部のRC造マンションは、築30年を超えても一定の需要がある。立地さえ間違えなければ、極端な価格下落は起こりにくい。

ステップ7:確定申告のシミュレーション

サラリーマン投資家が避けて通れないのが確定申告。初年度のイメージを示します。

不動産所得の計算

項目金額
家賃収入756,000円
経費合計-約56万円
 ├ ローン利息-約23万円
 ├ 減価償却費-約26.5万円
 ├ 管理費・修繕積立金-約16万円
 ├ 管理委託費-約4.2万円
 ├ 火災保険料-約0.3万円
 └ その他(交通費・書籍等)-約2万円
不動産所得約-約80,000円(赤字)

初年度は減価償却費や諸経費が大きいため、不動産所得は赤字になりやすい。この赤字を給与所得と損益通算できるのがサラリーマン大家の強み。

年収500万円の人が不動産所得マイナス8万円で損益通算すると、概算で約2.4万円の還付が受けられます(所得税率20%+住民税率10%として)。

年収500万円で始めるときの注意点3つ

注意点1:生活防衛資金は別に確保する

自己資金150万円をすべて投資に回すのはリスクが高い。最低でも生活費3ヶ月分(約75万円)は手元に残すべき。となると、自己資金は225万円(150万円+75万円)は用意してからスタートしたい。

注意点2:変動金利のリスクを織り込む

今回のシミュレーションは金利1.9%で計算した。金利が0.5%上がると月々の返済額は約2,400円増え、キャッシュフローはさらに厳しくなる。金利上昇に耐えられるか、事前にストレステストをしておく必要がある。

注意点3:物件選びが9割

シミュレーションはあくまで「その物件を買ったら」という仮定の話。物件選びを間違えれば、どんなにきれいな計算も崩壊する。立地、管理状態、修繕計画——確認すべきことは山ほどあります。

サラリーマンが不動産投資を始めるまでのロードマップはサラリーマン投資ロードマップに整理していますので、全体像を把握したい方はぜひ。

将来の資産形成イメージ

まとめ:数字は嘘をつかない、でも数字だけで決めるな

年収500万円、自己資金150万円で中古ワンルームマンション投資を始めた場合。

  • 毎月のキャッシュフロー:+5,775円(理想値)〜 -1,400円(現実値)
  • トータルリターン(元金返済+節税込み):年間約30〜40万円
  • 10年後の売却を含めたリターン:約93〜193万円

正直、「不動産投資で一攫千金」みたいな話ではない。でも、毎月コツコツとローンが減っていき、10年後には数百万円の資産が手元に残る——この堅実さこそが、サラリーマンの不動産投資の本質だと僕は思っています。

大事なのは、こういったシミュレーションを自分の手で何度も回すこと。物件が変われば数字は変わる。金利が変われば景色は変わる。自分で数字を動かせるようになって初めて、「この投資は自分に合っている」と判断できるようになる。

この記事が、あなたの最初のシミュレーションのたたき台になれば、僕としてはこれ以上のことはありません。

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