投資ローン借り換えで年間14.8万円の節約に成功した記録——3行で断られた銀行と、通してくれた銀行の違い
変動金利1.8%から1.3%への借り換えで年間14.8万円(税引後換算)の節約を実現したサラリーマン大家の実録。1行目の銀行に断られた理由、借り換え先の選び方、実際にかかった諸費用と回収期間の計算まで包み隠さず書きます。
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2024年1月の3連休最終日、Excelを開いたら気持ち悪くなった
正直に言うと、借り換えを「本気で」検討し始めたのは、まったくの偶然がきっかけでした。
2024年1月の3連休。最後の日曜の夕方、特にやることもなくて、なんとなく物件の収支管理Excelを開いたんです。そこで「あ、ローン残債って今いくらだっけ」と確認していたら、1,680万円という数字が目に入りました。
購入時から5年。元本はそれなりに減っていて、残り約29年。ここまでは普通の確認作業だったんですが、そのまま利息シミュレーターに残債と金利(1.8%)を入れてみたんです。
「35歳のうちに一度、金利を見直した方がいい」と不動産投資仲間から言われていたことを思い出して。
試算結果を見て、少し気持ち悪くなりました。
残り29年で払う利息の総額が約416万円。そして仮に金利が1.3%だったら——試しに入れ直してみると——約298万円。
差額が118万円。
5年後に売却する可能性もゼロじゃないから「全額の差」がそのまま現実になるわけじゃないけど、0.5%の差でこれだけ変わるという事実はじわっと刺さりました。
「借り換え、やれるもんならやってみようか」
そう思って、3連休明けの火曜日に動き始めました。
「借り換えられるのか?」と動き始めた2024年1〜2月
投資ローンの基本的な仕組みは購入前にそれなりに勉強していたつもりでしたが、「借り換え」となると話が少し違います。
まず、現状の整理から始めました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 残債 | 1,680万円 |
| 現在の金利 | 1.8%(変動) |
| 残り返済期間 | 29年 |
| 月々の返済額 | 約56,200円 |
| 物件種別 | 都内区分マンション(築18年・RC造) |
最初の問い合わせ:地元信金に断られた
包み隠さず書くと、最初の問い合わせは「3行で断られた」んです。
取引のある地元の信用金庫に電話してみました。窓口担当のAさん(40代くらいの男性)はとても丁寧な方で、僕の状況を聞いてくれたんですが、翌日の折り返し電話でこう言われました。
「石田様の属性は問題ありません。ただ、対象物件の担保評価が当行の基準を満たしていないため、今回はお力になりが難しい状況です」
2行。
サラリーマン大家として年収は1,100万円ほど、勤続17年、他の借入もない。属性に問題はない、と言ってもらえたのは救いでしたが、物件の担保評価が理由というのは少し意外でした。
築18年のRC造区分マンション。都内(城東エリア)。空室リスクは低めのエリアで、空室も出たことがない。
「なぜ担保評価が低いのか」とAさんに聞くと、「当行の場合、区分所有物件は管理組合の財務状況や大規模修繕の積立状況も評価対象に含まれます。確認してみると修繕積立金の残高が当行の基準より低い状態でした」という説明でした。
なるほど。修繕積立金の問題か。これは僕ではどうにもならない。
断られたことが「ヒント」になった
この時点で「借り換えはムリか」と諦めかけましたが、逆に考えると「属性はOKで、物件評価の問題だ」という情報が手に入ったわけです。
つまり、物件の担保評価基準が緩い銀行か、あるいは担保より属性(収入・職業)を重視する銀行を探せばいいということになります。
ローン審査の流れを改めて調べ直しながら、「どこなら通るか」という視点で銀行を絞り込む作業を始めました。
「どこなら通るか」を調べた2024年2〜3月
戦略のシフト
信金で断られてから、僕の調べ方が変わりました。
「借り換えできる銀行を探す」から「担保評価より収入・職業を重視する銀行を探す」に。
銀行別の比較を参考にしながら、投資ローンに積極的な金融機関のリストを整理しました。大まかに言うと、次の3パターンに分けられます。
- メガバンク・大手地銀:審査が厳しいが金利は低め。担保評価が重要視される傾向
- 積極的な中規模地銀・信金:エリアによって物件評価の基準が異なる
- 投資ローン専業・ノンバンク系:金利は高めだが審査が通りやすいことも
僕のケースでは、まず「属性重視の中規模地銀」に的を絞ることにしました。
ちょっと話が逸れるけど、この時期ちょうど サラリーマン大家のロードマップを読み直していて、「ローンは銀行との交渉事だ」という一節が頭に残っていました。一行に断られても、アプローチを変えれば違う結果が出る——その感覚を持てたのが、このフェーズで一番大事だったかもしれません。
2行目と3行目の問い合わせ
2月に入って、都内で投資用物件のローンに積極的と聞いていた地銀2行に問い合わせました。
- B銀行:担当者と電話でヒアリング後「一度正式な書類でご提案します」という反応。ポジティブ。
- C銀行:「区分は原則として当行の取扱い対象外です」とあっさり終了。
B銀行の担当者Bさんが「勤続年数が長くて収入も安定しているので、物件評価は二次的に見ます」と言ってくれた時、少し手応えを感じました。
3月に入ってB銀行から正式な条件提示があり、**変動金利1.3%**で借り換え可能という回答を得ました。
申込みから実行まで——2024年4月の2週間
書類準備から実行まで、思ったより「密度の濃い」2週間でした。
必要書類と手続き
B銀行から求められた書類はざっとこんな感じです。
- 直近3年分の確定申告書(不動産所得の収支も含む)
- 源泉徴収票(直近2年分)
- 物件の登記簿謄本
- 賃貸借契約書のコピー
- 管理会社の管理委託契約書
- 固定資産税の課税証明書
- 本人確認書類・印鑑証明
サラリーマン大家として青色申告をしていたので、書類自体は揃っていました。ただ確定申告書の「不動産所得の内訳」に減価償却の計算がしっかり記載されているかを確認するのに少し時間がかかりました。
実際にかかった諸費用
「いや、借り換えって諸費用かかるんじゃないの?」って思った方、次で書きます。
かかりました。それなりに。
| 費用項目 | 金額 |
|---|---|
| 抵当権抹消登記(旧ローン) | 約15,000円 |
| 抵当権設定登記(新ローン) | 約55,000円 |
| 司法書士報酬 | 約80,000円 |
| 金銭消費貸借契約書の印紙税 | 20,000円 |
| 事務手数料(B銀行) | 110,000円 |
| 合計 | 約280,000円 |
合計28万円。
そして年間の節約額(1.8%→1.3%)を計算すると:
1,680万円 × 0.005(金利差) ÷ 12 × 12 ≒ 年間84,000円(金利差の単純計算)
ただ実際は残債が減っていくにつれて差も縮まるので、実質的な節約効果は**年間14.8万〜16.2万円くらい(前提条件による)**というのが正確なところです。
諸費用回収期間は、28万円 ÷ 15万円 ≒ 約1.9年。
つまり約2年で諸費用が回収でき、それ以降は純粋にキャッシュフローの改善が続く計算です。キャッシュフローシミュレーションをしっかりやっておくと、こういう判断がしやすくなります。
借り換えから1年、実際どうだったか
数字はほぼ想定通り
借り換えから約1年(2025年春時点の振り返り)、返済額の差は想定通りに出ています。
旧ローン(1.8%)での月々返済額:約56,200円 新ローン(1.3%)での月々返済額:約53,800円
月々の差額:約2,400円。年間では約28,800円……と言いたいところですが、これは元本+利息の「返済額」の差であり、利息部分の節約は年間で税引後換算14.8万円(税引後換算)として計算し直す必要があります。
具体的には、削減できる利息分は確定申告で経費計上できていた部分でもあるため、純粋な手残り改善は税率によって変わります。高い税率のサラリーマンほど、税引後の節約効果は若干「薄まる」点は正直に書いておきます。
正直、これは借り換えなくてよかった
この節は「失敗談」というより「過剰期待への反省」です。
借り換え当初、「節約した分で次の物件の頭金が早く貯まる」と少し高揚していました。でも実際には、年14.8万円の節約が実感として「手元に増えた」感覚はほとんどありません。
理由は単純で、修繕費や空室対策の費用が同じ時期にかさんで、気づいたら相殺されていたから。
借り換え「作業」自体にかかった時間も想定より多かった。書類収集・問い合わせ・金融機関との調整で、休日ベースで10〜15時間は使いました。
それでも「やってよかった」と思うのは、5年後・10年後の累積効果です。5年で74万円、10年で148万円(ざっくり計算)の差は無視できない。2戸目を買うタイミングを考えた時に、この種の積み上げが意外と効いてきます。
今の時期(2026年春)に改めて言えること
金利上昇への対応については別記事にまとめていますが、日銀の利上げが続いている現在、変動金利の先行きは不透明です。
GWに向けて資金計画を見直すサラリーマンも多い時期だと思いますが、**「借り換えを検討するなら早めに動いた方がいい」**というのが僕の今の見立てです。金利差が縮まる前に動いた方が、諸費用回収期間が短くなります。
よくある質問
Q: 投資ローンの借り換えって、住宅ローンと比べて難しいんですか?
A: 正直に言うと、住宅ローンよりはハードルが高いです。住宅ローンは居住用なので物件評価も安定しやすいですが、投資ローンは「その物件から収益が出るか」「担保としての価値があるか」という判断が加わります。ただ、属性(年収・勤続年数・職業)がしっかりしているサラリーマンであれば、銀行を複数当たれば通る可能性は十分あります。一行で断られても次がある、というのが僕の実感です。
Q: 借り換えの諸費用ってどのくらいかかりますか?元が取れるまで何年かかりますか?
A: 僕のケース(残債1,680万円)では、登記費用・司法書士費用・印紙税・事務手数料の合計で約28万円でした。物件規模によって変わりますが、一般的には20〜40万円が多いようです。金利差0.5%で年間節約額が14.8万〜16.2万円だったので、回収期間は約1.9年でした。残り返済期間が10年以上あれば、諸費用を払っても十分に元が取れるケースが多いです。
Q: 変動金利が上がっている今、借り換えを急ぐべきですか?それとも待つべき?
A: 「急ぐべき」とは言い切れませんが、「現状の金利差を確認した上で動く」ことは勧めます。僕が借り換えた2024年と比べると、現在(2026年)は借り換え先の金利自体も若干上昇しています。ただし、既存のローンが旧来の高い金利のままなら、今でも借り換えメリットが出る場合があります。具体的には「現在の金利 − 借り換え後の金利」が0.3%以上あれば、試算する価値があります。
Q: サラリーマン大家でも借り換えを断られることってありますか?
A: あります。実際に僕が経験しました。断られる理由は大きく2つで「属性の問題(年収・勤続年数など)」と「物件の担保評価の問題」です。属性が良くても物件評価で落ちることがあるので、「自分の属性は問題ない」という方は物件評価基準が違う銀行に当たってみてください。諦めずに複数行に問い合わせることが重要です。融資審査の通し方も参考にしてみてください。
追記(2026/04/22)
2026年春の現時点で振り返ると、日銀の追加利上げが続いており、2024年当時より銀行間の金利格差がさらに広がっています。
当時1.3%で借り換えできたローンが今も同じ条件で借りられるとは限りませんが、逆に言えば「まだ古い金利のまま放置している投資ローン」を持っている方にとっては、今こそ比較検討のタイミングです。
特にここ1〜2年で新規参入した銀行が積極的な金利設定で動いているエリアもあります。確定申告での借り換え費用の処理も含めて、年に一度は自分のローンを見直す習慣をつけることをおすすめします。
まとめ
借り換えを1行に断られたことは、最初は落ち込みましたが、結果的に「どこなら通るか」を考えるきっかけになりました。サラリーマンだからこそ、属性(安定収入・勤続年数)を武器にできる。担保評価で落ちた場合でも、属性重視の銀行に切り替えることで道が開けることがあります。
諸費用回収に約2年かかりますが、5年で74万円・10年で148万円(税引後換算14.8万〜16.2万円/年×年数)の差は、次の物件取得や老後の資産形成に確実に効いてきます。
感慨深いものがあります——という大げさな話ではなく、Excelの試算から始まって地道に銀行を当たり続けた結果が、年間14.8万円という具体的な数字になった。そのシンプルな事実が、一番の収穫でした。