会社に不動産投資がバレそうになった話|副業規定と住民税の落とし穴

サラリーマン大家が経験した「会社に不動産投資がバレそうになった」実話。住民税の特別徴収・普通徴収の違い、副業規定との正しい付き合い方を数字付きで解説。

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2022年2月、確定申告の最終確認をしていたとき——e-Taxの画面でふと気づいて、冷や汗が出ました。

「住民税の納付方法、給与から天引きのままになってる」

正直に言うと、それまで住民税の納付方法なんて意識したことがなかった。投資用のワンルームを1戸購入して、初めての確定申告だったんです。

結論から言うと、その年はギリギリ設定を直して事なきを得ました。でも、あの瞬間の「やばい」という感覚は忘れられない。不動産投資とサラリーマン生活、両方を守るために知っておくべきことがあると痛感した件を、包み隠さず書きます。

確定申告のイメージ


そもそも何が問題だったか

不動産収入(家賃収入)は、サラリーマン大家の確定申告の対象になります。年間の家賃収入から必要経費(管理費、ローン利息、減価償却費など)を差し引いた所得を申告する。ここまでは知っていました。

問題は住民税の納付方法にあります。

確定申告には、住民税をどう払うかを選ぶ欄があります。

方法内容
特別徴収(給与天引き)不動産所得分も含めた住民税を、毎月の給料から引かれる
普通徴収(自分で納付)不動産所得分の住民税を、自分で振り込む

特別徴収を選ぶと、会社に送られてくる住民税の通知書に「不動産所得の分が上乗せされた金額」が記載されます。

給与水準が変わっていないのに住民税が増えていたら、会社の経理担当者は「何か別の収入がある」と気づく可能性がある——それが問題の本質でした。


何が悪かったのか

2021年末に物件を購入し、翌年2月に初の確定申告。e-Taxで申告書を作成していたんですが、住民税の欄を見たとき「特別徴収」がデフォルトになっていて、そのまま流そうとしていました。

「(ちょっと待って、これって会社の経理に丸見えになるんじゃ……)」

物件の家賃収入は月6.2万円。年間74.4万円。ここから経費(管理費・ローン利息・減価償却等)を差し引いた不動産所得はプラスマイナスほぼゼロか微小なプラスだったので、「所得が増える→住民税が増える」の増加幅は正直大きくなかった。

それでも、経理から「今年の住民税、去年より2万円くらい増えてますよ」と声をかけられたら、と考えたら動悸がした(笑)。

結果として、住民税の欄を「普通徴収」に変更して申告し、会社への通知はなかったわけですが——この判断が正しかったかどうかは、当時まったく確信がなかった。


正解ルートと「知っておくべきこと」

ここからが本題です。

ポイント1:「普通徴収」を選べば基本的にバレにくい

確定申告書の「住民税に関する事項」から、「自分で納付(普通徴収)」を選択すると、不動産所得分の住民税は自分で納付書を使って支払うことになります。

会社に送られる住民税の通知は「給与所得分のみ」になるため、経理担当者から見ると住民税の金額が「通常の給与水準から計算した額」の範囲内に収まります。

「完全にバレない」かどうかは会社によりますが、住民税のルートからは発覚しにくくなるという意味で有効な方法です。

ポイント2:副業規定と不動産投資は別の話

「うちの会社は副業禁止だから不動産投資もダメなのでは?」という不安をよく聞きます。

包み隠さず書くと、多くの企業の就業規則における「副業禁止」は、主に「雇用関係を伴う就業」や「競業行為」を対象としているケースが多いです。

国家公務員の場合はより厳格ですが、民間企業のサラリーマンの場合は、不動産賃貸業(大家業)を「副業禁止」の対象に含めている規定は意外と少ない。

ケース一般的な判断
給与所得として働く副業(バイト等)多くの就業規則で禁止対象
不動産賃貸業(大家業)「事業」よりも「資産運用」と捉える会社が多い
株式投資・FX就業規則の対象外が一般的

ただし——

「ウチの会社の規定はどうか」を確認するのが大前提です。

僕の場合は、入社時に渡された就業規則を読み返したところ、「雇用関係を伴う副業」の禁止規定のみで、不動産賃貸については言及がなかった。だから判断の根拠を自分で持てた。

(ここ書くのに悩んだけど)就業規則を確認せずに「多分大丈夫だろう」と思い込むのは、リスク管理として甘いです。

ポイント3:住民税の増加額は思ったより小さいことが多い

不動産所得が年間10〜30万円の場合、住民税への影響額は年間1〜4万円程度(所得の10%程度)が目安です。

月あたりに換算すると1,000円〜3,000円程度。給与から天引きされる月額が「なんか増えたな」と感じるかどうかのレベルです。

僕の場合の2021年の不動産所得は約6万円(ほぼ経費で相殺)で、住民税の増加分は年間約6,000〜8,000円でした。月換算で600円程度。経理担当者が気づくレベルではなかったかもしれない——でも知らずにリスクを取り続けるのは嫌だった、というのが正直なところです。


失敗から導いた教訓

教訓1:確定申告書の「住民税の納付方法」は必ず確認する

e-Taxで申告する場合、デフォルトが「特別徴収」になっているケースがある(ソフトや申告方法によって異なります)。申告書の最終確認画面で必ず「普通徴収(自分で納付)」を選択しているか確認してください。

これを知らずに申告してしまったケース、僕の周りにも何人かいます。

ちょっと話が逸れるけど、不動産投資の確定申告で節税する方法では、経費計上の話をまとめています。住民税の設定は節税と同じくらい重要なので、セットで確認してほしいです。

教訓2:就業規則は「買う前」に読む

物件を買った後に「待って、就業規則どうなってたっけ」となるのは手順が逆です。不動産投資の始め方でも書いていますが、最初のステップに「会社の就業規則確認」を加えておくことを強くおすすめします。

教訓3:規模が大きくなったら専門家を頼る

「“じゃあ2戸、3戸と増えたら?“って思いますよね。次で答えます」

物件が増えるほど、不動産所得も増えます。年間所得が50万円を超え、100万円を超えてくると、住民税の差額も無視できないレベルになってきます。

僕が現在3戸を持つ時点で相談した税理士に言われたのは——「大家業として法人化すれば、住民税の問題はほぼ解消されます」というアドバイスでした。法人化のタイミングは一概には言えませんが、サラリーマン大家の税金対策の観点からも、物件数が増えたら検討に値します。


おすすめしない人も正直に書く

こういう状況の人は要注意:

  • 就業規則に「不動産賃貸も含む副業禁止」と明記されている会社に勤めている
  • 国家公務員(副業規制が厳格で、許可申請が必要なケースが多い)
  • 会社の同僚・上司が大家業を快く思わない社風の職場

「会社に絶対バレてはいけない状況」なのに、不動産投資を始めるのはリスクの取り方として正直どうかと思います。サラリーマン大家が副業規定と上手く付き合う前提は、まず自分の立場を正確に把握すること——そこから始めてほしい。


確定申告の書類イメージ

まとめ:住民税の設定は「最初の関門」

不動産投資を始めて最初の確定申告で、「住民税を普通徴収にする」という一手間を忘れるだけで、会社への情報漏洩につながる可能性があります。

手順をまとめると:

  1. 就業規則を確認(不動産賃貸業が禁止対象かどうか)
  2. 確定申告で「普通徴収」を選択(忘れやすいので要注意)
  3. 住民税の納付書が来たら自分で支払う(5月〜6月頃に届く)

大げさに聞こえるかもしれませんが、サラリーマン大家として長く続けるためには、この基礎的なリスク管理が重要です。焦る必要はありませんが、知っていると知らないのでは大きな差があります——そういう話でした。

不動産投資初心者のロードマップや、利回りとキャッシュフローの計算方法と合わせて読んでもらえると、土台が整ってくると思います。

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よくある質問

Q: 不動産投資は副業禁止の会社でも本当にできるの?

A: 多くの民間企業の就業規則では、不動産賃貸業は「副業禁止」の対象外になっているケースが多いです。ただし、就業規則の内容は会社によって異なるため、投資を始める前に必ず自社の規定を確認することが前提です。「多分大丈夫」という思い込みは禁物です。

Q: 確定申告で「普通徴収」を選んだのに会社に通知が行くことはある?

A: 住民税の設定を「普通徴収」にしても、給与所得分の住民税は引き続き特別徴収(給与天引き)で会社に通知されます。不動産所得が少額で住民税の増加幅が小さければ実務的に気づかれにくいですが、確実に「見えない」状態にするには普通徴収の設定が重要です。なお、e-Taxや市区町村の申告書によって画面の表現が異なることがあるので、提出前に必ず確認してください。

Q: 不動産所得がマイナス(赤字)の場合でも確定申告は必要?

A: サラリーマンの場合、不動産所得が赤字であれば給与所得と損益通算でき、税金が還付されることがあります。赤字でも確定申告をするメリットはある一方、申告書の記載で「不動産収入がある」ことが明確になります。住民税の設定は赤字申告の場合でも重要なポイントです。サラリーマン大家の税金対策も合わせてご確認ください。

Q: 国家公務員の場合は不動産投資はできない?

A: 国家公務員は人事院規則で副業が厳しく制限されており、一定規模以上の不動産賃貸業を行う場合は事前に許可が必要です(賃貸に出す戸数や家賃収入の合計額に基準があります)。民間のサラリーマンと比べて制約が大きいため、事前に所属機関の服務担当者に確認することをお勧めします。

Q: 確定申告で「普通徴収」を選ぶ手順を教えてください。

A: e-Taxでの申告の場合、申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」の欄に「給与所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」という項目があります。ここで「自分で納付」を選択してください。書面申告の場合も同様に第二表で確認できます。申告後の修正は手続きが必要になるため、提出前に必ずチェックする習慣をつけておきましょう。


追記(2026/04/16):2025年以降、リモートワークの普及とともに「不動産投資を副業として認める」方向に舵を切る企業が増えています。一方で、就業規則を改定していない企業も多く、グレーゾーンのまま運用されているケースがある。「会社が黙認してくれているだろう」という判断は危険です。自分で規定を確認して、正しい手続きを踏んだ上で大家業を続けることが、サラリーマン大家として長く安定して歩むための土台だと感じています。


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